2010/07/14

圧倒されるね...


『熱湯経営』樋口武男
[9/112]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

大和ハウス工業、大和住宅の経営者として辣腕を振るった著者。オーナーの薫陶を受けながら、「ぬるま湯」だった社内の空気を「熱湯」にして成功に導いた話。時には鉄拳制裁も辞さず、「背中」を見せながら常に第一に組織をひっぱっていく姿...自分にはできない手法なので、ある意味うらやましくもある。
リーダーたるものに必要な要素に、
・公平公正・無私・ロマン・使命感
の4つの品性をあげ、調たるものが磨かなくてはならない「力」として、
・先見力・統率力・判断力・人間力
をあげる。確かに「強いリーダー」になりきれない自分の組織は、「ぬるま湯」といえるかもしれない。それは自分にこれらの品性、力が欠けているから、なのか?そういう点は否めない。けれども、読んでいてなんとなく感じたのは、一種うらやましい気持ちがある反面、ちょっと前時代的かなあ、という印象である。確かに男として生まれたからには、「勝負事には絶対負けない」気概が必要だとは思うし、ある程度の「トップダウン」が必要なこともある。けども、どうも「今」はそういう手法だけではリーダーになれない気もする。著者が説いている「無私、もしくは会社利益のため」という考え方がそもそも弱くなりつつある。これに対して、個々人の力量アップ→ひいては組織の勝利、というフローのほうがよりスムースに感じる(ぬるい、かもしれないが)。もちろんあったと思うが、どうも「ES」つまり従業員満足、乃至は従業員への「愛」という点が本書ではあまり感じられなかった。今の時代、それが根本にあるべきなのかもしれない、というのは「今」の現場で「長」たるものの実感。もちろん企業の規模、「長」の度合い(組織の規模)の違いはあるけれども...いずれにしても、「長」が汗をかかなくてはいけない、という「熱さ」は伝わってきた。それだけでもプラスとすべし。


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