2010/07/29

的を得た話ではあるけれども...


『「共感」で人を動かす話し方』菅原美千子
[19/122]bk1
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★

「伝える」話し方のプロである著者は、アナウンサーであり話し方の講師であり、話す「内容」だけはなく、組み立て方、見た目も含めたイメージの影響力、等々いろいろな場面でヒント、参考になる内容だった。例えば「BtoB」のプレゼンの場面だけではなく、講演、あるいは社内でのコミュニケーション、さらには「BtoC」の領域も。そういった意味ではコミュニケーション手段としての「伝わる」「動かす」話し方というのは、テクニックとしてではなく、アウトプットとして身に着けるべきスキル。副題にあるような「ロジックだけでは伝わらない」のは明らかであり、その前に発生する「感情」部分を視野にいれた「共感」の大切さを学ぶ。
確かに、わずかな人数であるチーム内でも「人を動かす」ことはとても難しい。「命令」であればその場は動かせるだろうけど、それでは「スポット対応」に過ぎないのだろう。「動かす」の前に「伝わる」(「伝える」ではなくて)ということを意識せねばならないね。ただ...相手を承認すること、命令ではなく要望を伝えること...書かれている内容については、正直以前にもどこかで見たようなものが多いし、また、若干の「キレイゴト」のような印象もある。本書の最後に書かれたフレーズ、「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ」よく目にするものだ。自分の環境に置き換えてみれば確かに自分自身が変わらなければならない点は多い。でもなんとなく本書を読んでいて違和感を感じたのは、「動かす」というのは相手を変えることなのでは?と捉えられて、相手を変えるスキルを述べてきて最後に「変えられない」という矛盾を言われた感が...
それから(これは現在の自分の周辺のレベルの問題だが)、「相手」が一定レベルまで達していない場合について、なにかヒントがほしかった。相手を承認して(承認していることを本人にも分かってもらう)、その後に要望するなり、動かすなり...ということは理解できるが、そもそも「承認」のレベルまで達していないケースがある。常識のズレ、というのかな。価値観の相違というのか、結局「変われるのは自分しかいないから相手に合わせる」ことだけであれば、限界はありそうな...やっぱり相手も(一定レベルまでは)「変えて」行かなければならないのだと思う。このあたりについて書かれた本はないけど、えてして「マネジメント本」って、「相手」が一定のレベル、という前提があるんだよね。だから現実的ではなくなってしまう。
もちろん自分自身の「成長」はどんな場面でも必須、それは認識です。





2010/07/28

「熱い」!忘れていたものを見つけた。


『俺は、中小企業のおやじ』鈴木修
[18/121]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

スズキ自動車の会長で今は社長に「復帰」されている。ご高齢でありながらこれほど意欲的な姿勢に驚かされましたね。本書は新刊当時にかなり話題になってました。タイトルの「中小企業」というところのインパクトでしょうかねー。確かに本書の最初から最後まで、「中小企業」という意識から発する「魂」のようなものがみなぎっている。個人的に車を選ぶとき(そうそう機会はないけど)、正直「スズキ」という選択肢は小さいが、軽自動車、或いは小型車でそれなりの「個性」を持ったメーカーだ、というイメージは強い。ヒット商品の「アルト」「ワゴンR」を軸に、GMとの提携のストーリーや、インドでの進出から現在までの話、非常に興味深く読んだ。特に「インド」については、いろいろな運命的なものやタイミングがあったにせよ、根底にあるのは「スズキという(日本国内では)トップクラスのメーカーでなくとも、No.1になれる国はある」という発想が原点にあったようだ。これは、この考え方は素敵だし、それを実行して、形にしている姿は美しい。詳しくは書かれていないけれども、当然にかなりの苦労はあったはず。今の「インドNo.1」として確固たる地位を築いたのはそれなりの「汗」があったのだろう。そしてそれを継続しているのは、さらにすばらしいことだと思う。
本書の主題は、このようなスズキ自動車のストーリーと、社長から会長、そして社長兼任に戻られた著者の考え方、生き方、生きざまを描いている。3兆円企業でありながら「中小企業」スピリッツを忘れずに、チャレンジする姿勢、泥臭く動き続けるスタイル...かっこいいですね。自分は正真正銘の「中小企業」にいながらも、その「魂」が抜けている瞬間があることに気づく。いけないね。80歳になられる著者だけど、まだまだ「中小企業」としての会社を先頭にたって引っ張っていかれている感じが伝わる。一方でご自身も書かれていたが、後継者については頭を悩ませているよう。ある意味「引き際」ということもあるだろうし。そんなアグレッシブな著者が書かれているのでなんとも言えないけれども、スズキの社員の像はまったく見えてこなかった。おそらく「後継者」足りえる人材もいらっしゃるのだろう。そして社長の言葉をハラに落としている方、そうではない方も。外からみたら、いわゆる「ワンマン」に見える会社、その内部はどうなんだろう。TOP率いる方向性に間違いなく進んでいるのでそのフローも確かなものなんだろうなあ。そっちも気になった。

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2010/07/25

読書の幅が広がるかも


『高校生が感動した「論語」』佐久協
[17/120]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

「これほど分かりやすい訳はありません!」結構言われているようです。これまでこれっぽっちも「論語」に触れていない自分としては、これが「他と比較して」わかりやすいかどうかは、不明です。ですが、「論語」って面白いんじゃないかな...っていう感覚にはなりましたね。何よりもこれまでそれなりの数を読んできた、所謂「ビジネス本」=自己啓発、マネジメント等で、「これは!」と思えるようなフレーズが結構見つかります。これは解釈にもよるとは思うけど、その手の本の著者は少なからず「論語」に影響を受けているのかもしれませんね。意識的か無意識かは別として。別の見方をすればつまり紀元前から、「人間」って、「人間の考え」って変わっていないのね、という点かな。成長しないね...なのか、いつの時代も考える人と考えない人は存在する、っていう事実だけ捉えるべきなのか。
著者は高校において論語をずーっと教えてきたそうで。それなりに解釈には「深み」がありますね。表面的に見ると、「曲解では?」と思えちゃうこともあるんだろうけど、30年携わってきた「重み」があります。それはそのまま受け入れることとします。
久々に付箋を片手に読み進めたんだけど、2つだけここに書いておきます。

能く五つの者を天下に行うを仁と為す。
[恭・寛・信・敏・恵]
恭しければ人から侮られず
寛容ならば人望を得られ
誠実であれば人から信用され
敏活だと仕事をこなせ
恵み深ければ、人も骨身を惜しまず働く

徳は孤ならず。必ず鄰あり
孤立を恐れるな。正しいことをしていれば同調者現る


「哲学」という見方よりは、かなり現実主義的なフレーズが多いので、訳者によっては「はまる」可能性は高いんじゃないだろうか。「行動せよ」とか「目先の利益に目がいってどうする!」とか、自己啓発本に出ているのとそうそう変わらない、というかこっちのが「重い」感じはするね。
結構「この世界」に興味を持った自分は、さっそく「次」を考え始めた。「論語」の入門編をなにかもう一冊読んでみたいなあ。


2010/07/23

清い...なれるか?近づける!


『メンタリング・マネジメント』福島正伸②
[16/119]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

「メンター」...それと思える人と出会ったのは最近のこと。確かにそれ以降は自分が「変化」しているのが実感できる。直接的に何か「指導」されているわけではない。けれども考える、変わる、変える、思う、そんな方向へは進んでいる。しかしながら自分はあくまで「メンティー」であって、自分が「メンター」に、なんていう考えは持っていなかった。少ないけれどもチームを背負っている以上、そういう意識がなければならないのか...という考えを想起させられた本。
自分がこうなってほしい=相手に変わってもらうことを前提とした「指導」から、自分が変わることによって「楽しさ」を伝える「育成」へ。リーダーのあり方が変わってきている、という説。これまではそんな主張に触れるにつれ、「背中を見て育つ、なんて前時代的。今の人たちはある程度の抑えつけも、やっぱり必要なんだ」という結論に至ったケース数多。著者は、「部下は自分を表す鏡」という。つまり部下が仕事が楽しくないのはリーダーが楽しくないから。部下が言うことを聞かないのはリーダーが言うことを聞いてくれないから。確かに。と思う反面、「現実的でないな」という気も実はまだ捨てきれない(これがいけないんだろうけど)。同じく、現実としてリーダーは部下時代に「指導型」で育ってきた経緯があるから、そこから考えを改めなければならない、と説く。時代の趨勢に合わせて変化することは必要だろう。でも変化してはいけないものもあるのでは?とも思う(これがいけないんだろう、やっぱり)。

自立型と依存型、という話が繰り返しでてきた。困っているときに解決策を差し出すのは「やさしさ」かもしれないけど「依存型」を作っているにすぎない。依存型を作り出すのは依存型リーダーであり、その傾向が続けば、自分の考えを押し付ける「指導」にしかならなくなる...わかってはいるんだけどね。

著者の域には達することは並大抵ではないと思うが、近づくことはできる。そう思って少しトライしていきたい。多少なりとも以前から「育成」という意識はなくはない。ただ、それを「我慢」だと思っていた。変わるのは自分である、という意識が少し低かったのかもしれない。今のレベルでは「努力」を要するけど、考えてみれば自分としてもそうなりたい(つまり、尊敬されるということ)気はあるので、日々の行動、言動、考え、まずは意識を以ていこう。

二つ気になるフレーズがあったので書き留めます。

「事業を成功させるのか、事業を成功させる人を育てるのか」
チームビルディングを極意だと思う。この意識、欠けていたかも。

「今日の売上よりも、明日の売上」
仕事に取り組む極意。企業、とくに今自分がいる通販事業はこれが最も大事なこと。明日(以降)につながる行動を取らなければ、今日が終わったらどうなってしまう?これは肝に銘じたいし、それを言葉にして伝えていこう。

まだ自分のレベルが低いので、「しかることは意味がない」とか「自立に任せる」といったことは徹底できるか不安である。著者のレベルはあまりに高い。なのでこの本に書かれていることは「きれいごと」と捉えている自分がまだ少なからず存在するのは確かだ。ただそこは「テクニック」という枝葉なのかもしれない。本質をどう考えるか。そこをまずは意識していこう。

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2010/07/21

たまには「雑学」もいいもんだね


『社名・商品名検定 キミの名は』朝日新聞be編集グループ
[15/118]Library
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K-amazon ★★★

会社名、ブランド名、その由来の蘊蓄を綴った本。朝日新聞beに連載(?見たことはない)の「まとめ本」らしい。ここから何かを得る、というよりかは、気分転換、さらっと読める雑学も、たまにはいいね。
「コクヨ」=国誉、「DHC」=大学翻訳センター、この辺は知っていたけれども、「グンゼ」=郡是、や「文化シヤッター」の「ヤ」が大きいことなんかは知らなかった。普段目にしてても知らないことって結構ある。ここにあげられた会社、ブランドは(当然だけど)その名をよく知られた会社ばかり。そして歴史のある会社ばかり。歴史を感じさせるとともに、社名、ブランド名の持つ意味、会社が創業時(或いは名称変更時)に、どんな「思い」を持っていたか、などを少しだけ垣間見れる。「深く」読むものではないけれども、最後まで興味をもって読み切れる。
20代の頃、「雑学」知識をいっぱい持っている人にあこがれた時期がある。「トリビア」のもっと前、「ウルトラクイズ」のチャンピオンの博識に圧倒されたころ。何冊か文庫レベルで「雑学」系を読んだことはある。けれど、概してこの手の本は読みにくい、飽きるんだよね。本1冊を通しての盛り上がりがないので。そういう意味でも本書くらいの分量がちょうどよいのかもしれない。
千趣会が最初「こけし千体趣味蒐集の会」だったとか、サンリオが「山梨シルクセンター」だったとか、「花王」が「顔を洗う石鹸=当時は皮膚を刺激しない石鹸は希少だった=を強調するために「顔」に発音がつながる花王石鹸にした」とか、はたまた今取引関係もある凸版印刷が、大蔵省紙幣印刷を担当した技術者が退職して始めたベンチャー企業(といっても1900年のことだけど)の先駆けだったとか...積極的にアウトプットをすると嫌味になる、というテクニックが雑学知識には必要だけど、「知っている」ことに自信を持ちたい。おもしろかったですね。

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2010/07/20

ちょい強引な感じが...


『負け癖社員はクビにしろ!』苗木邦王
[14/117]Bookoff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

「ぬるま湯」体質の会社に対する挑戦状(?)。「最近」の働き手の環境からみても「社員教育、初期教育」が必要だろう、という内容。ここで書かれていることは「ごもっとも」が多い。だけども、なんだか入ってこない。なんで?まずは著者が何者か、がよくわからない。どんな仕事をしていて、どんな経験を経た上でこのようなことを伝えているんだろう?そして「大卒はダメ。高卒の方がいい」とか「中途採用は無理、未経験者を使おう」といった先入観を前提として内容...(これは合っているかもしれないし、合ってないかもしれない、と思う)
...本書の後半が「偉材塾」なる著者が主宰されている人材派遣のことで埋められていることでわかった気がした。なんとなくその機関の宣伝っぽくなってきて...その「塾」出身であれば、初期教育も済ませてます、やる気は刷り込んでます、社会人として間違いありません、事例もこんだけあります、よかったら...という流れが見えてしまったんだね。もちろん前半部分の、「今の若いもんはこうしなきゃ」とか「中途採用は同業界からだと、前の実績(これもアヤシイ)を引きずるのでよろしくない」といった「教育の必要性」は色あせない。確かに「負け癖」は一番やっかいな問題。目標として設定されたステージに達成しなくても、お咎めがなければ、当人の痛みもない、そして他の要因のせいにする...これは「痛い」ほどわかる。わかるけど、一部は「上」に立つ人間の責任でもある。だから著者のいう「リーダー研修は意味がない」ではないと思うんだなあ。...といったいろいろな見方があるけれども、前半の「負け癖」を改めよ、という箇所はいいです。実践してみる価値もあります。けど、後半の(ソリューションとしての)「宣伝」はいただけないかな。「マインド」と「売り」を一緒にしてはいけない、というマーケティングも学んだ気もします。逆説だけどね。

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2010/07/19

同意!同感!「みがき方」は自分で見つけなければ...


『マーケティングマインドのみがき方』岸田雅裕
[13/116]bk1
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★

「マーケティング」って何?と問われたら多分答えに窮する。なんだかあやふやでよく意味もわからないまま使っている言葉の代表みたいな感じだ。この本は特にその答えを明確に提示しているわけではなく、ただ、タイトルにもある「マーケティングマインド」を持つことの重要性については説いている。説いている、というよりは読み進んでいく中でわかってくる、と言ったほうがよいかもしれないけど。
言葉で言ってしまえば、「買う理由」をお客様に想起させていますか?という点。「売る理由」ばかりを考えてませんか?あ、考えてました。確かにそのとおりで。プラスして、お客様とともに年齢を重ねていくのか(つまり固定のお客様層を未来も引き続き追っかける)、もしくはお客様自身は変わるが、例えば「30代主婦」をいつのタイミングでも追い続けるのか...とか、「マーケティング」という、”かっこいい”言葉の一階層下にある「基礎、現場、お客様を知る」という部分の欠落に改めて思い知らされる。そんな自分の実情に照らし合わせてしまったが...
所謂「マーケティング」を、学問ではなくて、実地の考え方として、説明してくれていて、ユニクロやトヨタ・プリウスなど、近い事例が多くでてくることで理解の進み方が早い。御用聞きの本屋さんの話「注文された本だけではなく、その人の履歴や時代背景に合わせて、その人へのレコメンドを薦めるオーダーを作る」を読めば、すなわちこれはAMAZONの上をいく、究極の「1対1対応」レコメンドであることがわかる。つまりこれが「マーケティング」ということ。
「マーケティングとは?」の質問にはまだ答えられないかもしれないけど、「マーケティングマインド、持っている?」には、「もちろん!」と言えるようになりたい。すぐにでも。著者がその必要性を繰り返し述べていたが、「CMO」という概念。チーフ・マーケティング・オフィサー。これ、かっこいいね。



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2010/07/17

「整理系」の克服ならず。


『大事なことはすべて記録しなさい』鹿田尚樹
[12/115]Bookoff
Amazon ★★★
K-amazon ★★

書評ブロガーが、ブログではなく本を書くとどうなるんだろう。ブロガーとして超有名な著者の初めての本(なのかな?)。実は新刊時点でも気にはなっていたんだけど、所謂「整理術」系の本が自分として苦手で、二の足を踏んでいた。逡巡しているうちにも、著者の名前を目にする機会は増え続け...
国会議員の秘書という経験をお持ちで、それならば余計に「整理」には長けているんだと思う。著者がいう「記録」することの大切さ。これはわかる。そして「整理しない」「分類しない」という魅力的な...できそうな感じがしたけれども...メモ書きやメールでの送信、ノートの書き方、等々、細かな点で参考になるところはあるにはあるんだけど、すぐにやってみよう!、とか、そんな方法があったのか!とかそういうのは見つからず。自分も多少「文房具好き」なところがあるんで苦痛ではなかったけど、どこどこのノートが使いやすい、とか筆記具はこれがいい、とか、この系統の本はどうしてもそうなるよね。それも読んでいて面白いんだけど、本筋じゃあないしね。なにかそのツールである「理由」がある、というよりは「趣味」だったりすることが多いし。
著者が薦める「4行日記」というものが書かれているんだけど、毎日少しずつでも日記を「続ける」ことの大事さ、そして(日記にかかわらず「記録」を)読み返すことの大事さ、これは伝わってきた。プラス「書くこと」の大事さ。これは痛切に感じる。特にタイピングではなくて紙に書くこと。思えば自分も学生の時から「書いて」覚えてきているんだよね。ツールに頼っている最近。「書くこと」これはテーマです。
それから(これは本筋からはなれますが)著者もちょこっと触れているけれど、「勝負用」の筆記具、の件。それなりの人と会うときに、あるいは書類にサインをするときに、100円の4色ペンでいいのか...いやもう歳も歳、それでどうなる、ってわけじゃないかもしれないけど、そういう細部にこだわりを持ちたい。
この系統の本はいつも、「自分なりの方法を見つける以外ないよなあ」という結論で終わる。でもまだ「どこかにハマる手法があるんじゃないか」という淡い期待もある。始めてみることだよね、どれもこれも。整理法も。



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2010/07/16

かなり「やられ」ました。


『その科学が成功を決める』リチャード・ワイズマン
[11/114]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

巷にあふれる「自己啓発ツール」を科学的観点から斬る!みたいなイメージで始まった。「自己啓発」についてはそれなりに読んできている。読んできているがまだ「啓発」されきっていないけど、そこは「それで解決はしない。きっかけにすべし。」という自己評価があって、「それはそれで」というユルい感覚しかない。
で、たとえば、
・人(こども)はほめると伸びる
・成功をイメージする
・マイナス思考のモトを絶つ
・個人よりも集団で考えればよいアイデア
等々、「よく言われる」セオリーから、
・モーツァルトは胎教によい
・気をひきたい相手に冷たくする
といった「個人」的なことまで、まずは「科学」的な実証データでバッサリ。それはそれで気持ちよいものと「科学」で考えてホントによいの?という感情と混在するが、この本のよいところは、その「通説」が科学的に根拠がない、と一刀両断した上で、じゃあ、こういうふうにしてみましょう!という提案があること。これで「否定してばかり」という(「科学」にありがちな)ネガティブなイメージはまったくない。「科学が証明しているからそれでいこー!」ではなく、「そういう方法も実践してみる価値がありそうだね」という感情が生まれる。うまい。
そして本書の構成についても、ビジネス絡みのやや「重い」テーマが続くと、「婚活で勝つ方法」的なユルいテーマがあったりして、約300ページの長さを感じさせない。うまい。文調も「科学的」というよりは、ユーモアを交えたユルいもので読んでいてまったく苦痛は感じられない。
著者は心理学を突き詰めており、そして元マジシャンらしい。さすがに「心理を読む」に長けているなあ、と思う。読み終わった後に思う。読んでいる間は結構引き込まれる。
ひとつだけあげてみるとすれば(すぐに「実行」するものとして)、
・成功した自分ではなく、前進する自分をイメージする
というところ。目標達成した姿ではなく、それに向かって一歩一歩前進する姿を思い描く。これならできそうだし、くじけなさそうだし、言われてみればその方がプラスになりそうだ。
邦題はちょっとイケてない気もするが、読んでみてプラスになる。「科学」を好きになる、というおまけもついてくる。いいね。お勧めです。ただ、「自己啓発本」は今後読みにくくなるかも。

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2010/07/15

自己新記録更新


『バターはどにへ溶けた』ディーン・リップルウッド
[10/121]Bookoff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

「チーズはどこへ消えた」のパロディ。4~5駅間(約15分)で読み終わった。
...けれども、実はそんなに捨てたもんじゃないですね。「チーズ」を先に読んでいれば、その「パロディ」のツボもわかるし(それなりに楽しめる。その繰り返しに飽きる前に読み終わる)、深読みしようと思えば深読みができる内容。
本当の幸せ、って何だろう?お金?地位?そんな疑問をもっていると、ある程度ささる部分もあるかも。こちらはキツネ(自己中心、物欲)と、力もスキルもないネコが登場「人物」。ネコのうち「一人」がキツネにあこがれてキツネになろうとするが...

「教訓」として読み取ろうとすれば、
・本質を知る
・自分らしくある
・「あたりまえ」の中に幸せがある
・欲に従ってばかりいるときりがない
ってところでしょうか。でも...
正直、そこまで深読みする必要もないのかも、って思ってしまう。Amazonのレビューには、「さすが」と思えるレビューが並んでいるけれども、単なるパロディとして、「うまいなあ」と思うだけでもいいのかも、と思った。その徹底ぶりは感心するほど。「チーズ派」か「バター派」か...なんてあまり関心がないな。「チーズ」の後に読めば、楽しめます。新刊で880円で買っていたら、別の感情になると思うけどね。

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2010/07/14

圧倒されるね...


『熱湯経営』樋口武男
[9/112]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

大和ハウス工業、大和住宅の経営者として辣腕を振るった著者。オーナーの薫陶を受けながら、「ぬるま湯」だった社内の空気を「熱湯」にして成功に導いた話。時には鉄拳制裁も辞さず、「背中」を見せながら常に第一に組織をひっぱっていく姿...自分にはできない手法なので、ある意味うらやましくもある。
リーダーたるものに必要な要素に、
・公平公正・無私・ロマン・使命感
の4つの品性をあげ、調たるものが磨かなくてはならない「力」として、
・先見力・統率力・判断力・人間力
をあげる。確かに「強いリーダー」になりきれない自分の組織は、「ぬるま湯」といえるかもしれない。それは自分にこれらの品性、力が欠けているから、なのか?そういう点は否めない。けれども、読んでいてなんとなく感じたのは、一種うらやましい気持ちがある反面、ちょっと前時代的かなあ、という印象である。確かに男として生まれたからには、「勝負事には絶対負けない」気概が必要だとは思うし、ある程度の「トップダウン」が必要なこともある。けども、どうも「今」はそういう手法だけではリーダーになれない気もする。著者が説いている「無私、もしくは会社利益のため」という考え方がそもそも弱くなりつつある。これに対して、個々人の力量アップ→ひいては組織の勝利、というフローのほうがよりスムースに感じる(ぬるい、かもしれないが)。もちろんあったと思うが、どうも「ES」つまり従業員満足、乃至は従業員への「愛」という点が本書ではあまり感じられなかった。今の時代、それが根本にあるべきなのかもしれない、というのは「今」の現場で「長」たるものの実感。もちろん企業の規模、「長」の度合い(組織の規模)の違いはあるけれども...いずれにしても、「長」が汗をかかなくてはいけない、という「熱さ」は伝わってきた。それだけでもプラスとすべし。


2010/07/13

何も響かなかった...


『できる上司は「あと5分」の考え方が違う!』飯田亮
[8/111]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★

たとえば次の予定まであと数分残っている状態で目の前の仕事が一区切りついたとする。このときに「残り時間」で何をするか。これって結構大きな違いになってくるんじゃないか...という自分の感覚があり、まさにこれに合致する(ような)タイトルに惹かれた。
が...内容としてはタイトルにあるような話はほんの一部で(ほとんど記憶がないくらい)、なんとなく表面的な話が多くて、盛り上がりにかける内容だった。セコムの立ち上げから現在の規模まで大きくした人、そもそも「安全産業」という切り口を最初に作り上げた人、ということで、そのクリエイティブ面や、努力、苦労などを読めるかと思ったが、あまりこれらに深堀りした話はなく、どちらかといえば著者ご本人のポリシーというか仕事の仕方、これまでの仕方を綴られている。1話が2~3ページで完結しているので読みやすいことは読みやすいのだが、それゆえ(?)話が面白くなる前に終わってしまう。なかには、「諺は好きではない。その背景にあるものが今の時代と異なるので」という話をした後に、「○○という諺が座右の銘だ」みたいな話もあったり...
これだけの「ベンチャー」企業の雄であるし、ある種その履歴や行動指針はとても刺激的になるはず。それを知りたかった。ポッとでてきたベンチャー社長とは一味もふた味も違うはずなので。たとえ自分の今の環境と大きく異なっていて「あてはめる」ことがすぐにはできなくても、そういう話って刺激になるんだ。特に何もないところから「新規」で立ち上げた著者であるのだから...少し残念。

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2010/07/11

一見「軽い」けど、実は...


『脇役力<ワキヂカラ>』田口壮
[7/110]bk1
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K-amazon ★★★★

今年、メジャーリーグから日本野球に戻ってきた田口選手。同期入団にイチローがいる、ということで余計に、こんな書名がしっくりきてしまう...がその技術的な面はもとより、日本での活躍、そしていろいろあったとはいえメジャーリーグでも残してきた実績、どれをとっても「一流」であることは間違いない。一流の田口選手をして「脇役」という立ち居地であると考えられちゃうのが「プロ」の世界、われわれの世界とは一段階も二段階も「上」なんだろう。そんな田口選手本人の書、「脇役」の役割を、プライドを持ってやり遂げる、その大事さが書かれているような気がします。その根本にながれているのは、「代打でいい、と思ったことはない。常にレギュラーを目指している」、この考え方を徹底しているが故の「脇役力」である。そしてもうひとつ
「チームの勝利があって初めて実現する脇役力」という考え方。
これってさ...つまり「全体最適」、チームの目標、っていつも自分が気にしている、悩んでいることじゃん。これに向かってチームが固まるのかどうかって。田口選手は「野球選手」でもあるけど、「プロ」なんだよね。この「プロ意識」がすごい大切なんだ。「脇役力」から学べるとは思ってなかったけど、つまり今の私たちに不足しているもの、それをひとことでいうと「プロ」という言葉になるのかも。
そして。彼がセントルイスに所属していたときのトニー・ラルーサ監督の話があったけど、所謂「個性派」を何人も抱えて(しかもメジャーリーグの場合には多国籍だ!)、それを「チーム」としてどうまとめていくか、っていうところに言及されていたけど、監督は個々の選手の性格をつかんだうえで、脇役も含めて最大限その力を生かせる「場所」を見つけるのがうまいと...著者は「人心掌握術」と表現していたけどね。メジャーリーグの監督は大変だろうなあ、と思いながら、やはりそこは「人心掌握」というか、「お互いが信じられる関係作り」この基本は変わらない、これに置き換えら得るものは無いんだなあ、という思い。あるとすれば「使うテクニック」になっちゃうしね。
田口選手のよいところは、もちろん大変な苦労をされてきているのは間違いないけど、例えばこの本においても後ろ向きのイメージはなく、笑顔で前を向いている、そんなポジティブイメージがでているところ。だから読んでいて楽しい。メジャーリーグって楽しいところだなあ、とか、今年から日本でプレーされるけれども、やっぱり応援したくなる。「プロ」って、かっこいいね。


AMAZONで見る<ワキヂカラ> (PHP新書)

2010/07/09

痛快!気持ちよいね


『つっこみ力』パオロ・マッツァリーノ
[6/109]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★★★

自称イタリア人戯作家の「反社会学」本。学問、学者のモノの見方を「現実にはこうなんだよ」と痛烈に否定する内容。「否定」という言葉を使うか迷ったけど他にいいワードが出てこない、ネガティブな意味ではなくて、「なんでセンセってそうなの?」という普段から自分も感じていることに対して、自分が感じていることを表現してくれているような痛快さを感じられる。
「難しいことをわかりやすく」っていう当たり前のことをできない学者センセ。データを、「都合よく」解釈して、さもデキるように見せかけるお偉いさん...はたして彼らは何をしているんだろう?何のための研究?学問?本書には使われていないけれども、結構モノゴトの「本質」をついている内容。おもしろい。心地よい。タイトルの「つっこみ力」は前半部分にしか通っていない(後半は「つっこみ」からは離れる)けど、著者の言わんとしていること、「社会学」「経済学」と、実際の「場」で起こっていることがいかにかけ離れているか、現実に必要なことは何であるのか、という本質に迫っていると思う。
「正しいこと」が常に「伝わる」わけではない。そこにプラスして、「突っ込み力」=愛と勇気と笑い、これが必要、という「論理」はかなり真理かも。「伝わらない」以上、「正し」くはないのかもしれないし。これ、結構ポイントかもしれない。「正しい」ことばかり伝えよう伝えよう、としても限界があるのかも?直球ばかりでは勝利投手にはなれないのかも。
直接的にこの本から何かを学べる、というわけではないかもしれない。正直「残っている」ものは少ないし、「今日から実践してみよう」的なことはないかもしれないけれども、「読み物」としては十分に「あり」です。著者の本、他も読んでみようと思った。

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2010/07/08

残念ながら...


『ずっとやりたかったことを、やりなさい』ジュリア・キャメロン
[5/108]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

Amazonのレビューを見ても、書評ブログを見ても、かなりの「高得点」。アーチストだけにとどまらず「創造的な人間になる」には必然の書、という感じがしていた。「この本のおかげで変われた」「バイブルです」...等々称賛が多く、いったいどんな内容が?という、プラスのイメージで読み始める。
出だし、若干「スピリチュアル」な感じが。どうやら自己啓発本でもあり、12週間にわたって「創造的」になるためのプログラムを実践していきましょう、という内容。確かにフツーのその手の本とは異質で、「本当の自分」をアウトプットしていくための「極意」なのかもしれない。手法は至って「簡単」であり、①毎日朝起きたら「なんでもいいから」ノートに3ページ、書くこと=モーニングノート。②毎週1回でもよいので「自分の中の『こども』の部分を解放すること=アーチストデート。これを継続すること、らしい。「創造的」になる過程において、周りの環境が変わったり、時には怒りを感じたり、停滞に陥ることも「普通」にある、それを乗り越えられるかどうかで決まる、というこの辺は他の「啓発本」と変わらないかもしれないけど。
これだけ「Good!」書評が集まっていて、マイナスのコメントが少ないので、おそらくは自分が未熟なだけなんだろうけれど、興味をそそる部分はそれほど多くなかった、というのが正直な感想。確かに自分を抑えてたとえ(表面的に)成功しても何が幸せなんだろう?はたして今、これまで進んできた方向性のまま、自分はあとの人生を生きていていいんだろうか?もっと自分に素直になるべき点はあるのではないだろうか?という疑念はある。特に人生の「折り返し」地点を迎えて、後半の走り方、というのが前半と同じであっては面白くない。でも...著者が最も否定するところであるけれども、踏み切れない、冒険できない自分がいるのは事実。どうしても「守るべきもの」に目が移る。多分自分に自信を持っていない、本質的にアーチスト足り得ないのかも。
おそらく「引き寄せの法則」とかその類とカテゴリーは近しいのだろうと思う。「そっち」もあまり響かなかったけど。ただね。よくよく読むと、よく言われる、よく書かれていることが書いてあったりするんだよね。
・行動が大事である。
・自分の正直になる。信じる。
・(子供のころにはきっと持っていたであろう)夢を追い続ける。
ね。これだけ取り上げたら「自己啓発」によくあることだったりする。書き方が異なるだけで、もちろんこの本のような「プログラム」「メソッド」というのは広く受け入れられるんだろう。自分が天邪鬼なだけで(自覚はある)。読んだ今はなんとなく★★なんだけど、ここで言われている「モーニングノート」はちょっとやってみようかと。マイナスにはならないし。それで「変わる」ことを信じて。「行動」してみます。そうそう、「ずっとやりたかったこと」を見つけないことには。

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2010/07/06

「きっかけ」作りになるね


『大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座』渋井真帆
[4/107]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

「ブルーオーシャン」「ビジョナリーカンパニー」「ネクスト・マーケット」...まさに「読みたい」欲をそそる本が紹介されているが、なかなか手を出していない著名な本を、そのエッセンスをダイジェストで教えてくれる本。これを読めば、あたかも原書を読んだようにふるまえる...わけはないんだけど、それを実際に読んでみようかな、って気持ちにはしてもらえた。結構こういう本って分厚いので、読むのに躊躇することもあったりするんだけど、読書好きを自認するなら読まねばなあ、とは思っている。この本で紹介された8冊のなかではわずか1冊しか読んでいなかった...まだまだですね。
それぞれの大書をかいつまんでその中で一番説いていることを取り上げて解説してくれている。故に、8冊バラバラになりそうなもんだけど、そこは著者の「うまさ」なのか、結構「筋」が通っている。原書を読まなくてもある程度は、「名著」で言っていることは何か、っていうのがわかる。ここで取り上げられた本からは、
「既成概念を打ち破ること」
「これからの社会は「知識」が資産となりうる。個人の資質を高めるべし」
というようなことと受け取る。
もちろん、この本だけでは「表面的」にすぎないので、ここに紹介されている本を読んでみたい欲求に駆られている。特に「ドラッガー」。自分はまだ「もしドラ」しか読んでいないので、ゼロに等しい。でもここに紹介されている「ネクストソサエティ」は是非読んでみたいと思う。「マネジメント理論」が今自分に必要かどうかは不明だが、大家の視点、というかそういう考え方を実感したい。
いずれの紹介も、著者が「前向きに何かをつかもう」として読んでいる様子が見える(偉そうですね...)し、その「思い」が読んでいる読者にも通じている部分が...「感想文」を書いている私も参考にしたい。

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2010/07/05

意外にも(失礼)読み応えあり!


『残念な人の思考法』山崎将志
[3/106]bk1
Amazon ★★★
K-amazon ★★★

書店の「ベストセラー」で見かけます。タイトルもフツーではない。こういうのは期待値持って読み始めると失敗する...というのがこれまでの「ジンクス」なんだけど、結構「読めました」。朝から晩まで1日の大半を使っても、或いは行列のできるお店であっても、報われない「残念な」行動であることもある。その原因は一体どこにある?というストーリー。「残念な人」はロジカルかもしれない。でもそもそもの「前提条件」に問題がある故、「残念」に陥っている可能性も...わかったようなわかんないような...という感じではあります。
エッセイのように軽く読めるんだけど、考えさせられるところもあり。いったい誰が読んだら一番ヒビくんだろう?と思ったんだけど、「一所懸命仕事しているのに自分が高まった感じがしない。若しくは目標の数字に達しない」とかいう人だろうか。なんとなく、だけど、そういう意識を持つことですでに「残念」は超えているような気もする。もっと「残念」なのは、組織や自分の本来の到達すべきポイントを認識できない人、なんだろうと思う。著者のいう「前提条件」よりも前なのかもしれない。今の立場、環境からは「今日から実践してみよう」的なヒントは得られなかった。でも、気持ちや環境が変わると「面白い」点が見えてくるんだはないかと思う。優先順位をつける重要性など、かなり「当たり前」のことが書かれているが、けして嫌味には聞こえず、「そうだよなあ」って素直に入ってくる感じはするね。
ルーティンワークに対する考え方や、「後ろ向きに感じられるものを除外しても、100%前向きにはならない。別物だから..」という考え方など、共感できるところは少なくない。自分も「残念な人」になりかけている恐怖感はある。だからどうしよう...それが見つからなかったなあ。見つけよう、という気になったから、まあいいか...

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2010/07/04

やっぱり「報告」はしてほしいな


『デキる部下は「報告」しない』小松俊明
[2/105]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

このタイミングでこのタイトルの本と図書館で出合えるとは!なんて運命的な思いを持って読み始めた...けど肩透かしでしたね...
自分がそうであったときにできなかったことを棚にあげて、今、自分の「部下」が報告しないことに対してモノスゴクはらが立っているわけだね。「なんでそんなこともできないんだっ」って。もちろん自分にも非はあるんだろうけど。結局「ばれないようにすればいいんだ」的な発想になってしまっているのが残念でしょうがない。
本書のタイトルにあるように「できる」部下であれば報告は不要なのか?それも否定的。だって報告がない、というのは同じチームでやる意味、意義すら疑わしい。なんだかんだ言って、「共有」するのはテクニックでもツールでもない、「報連相」なんではないか、と最近強く思う。
本書ではその「報連相」だけではなくて、FRS(フィードバック、リマインド、シェアリング)まで高めましょう、という説明。つまり「報告しなくていい」ではなくて、「報連相」よりも高い次元にもっていきましょう、ということ。これ自体はいいと思う。本のタイトルもそれを逆説的にいったもの、ということだ。
でも...いささか「テクニック」論ばかりの気がした。そのFRSという意識は大事で、これを「本当に必要なことである」と各個人のハラに落とすことが大事で、これをテクニックとしてできる=できるように装うことが大事なのではない。特に終盤の「上司のタイプ別対処方法」に至っては、週刊誌のコラムにでているのとまったく変わらず、こんなテクニックを使うことが目的だとしたら、FRSといういい発想が完全に価値をもたなくなる。「こういう上司はこういうふうに使おう」ではレベルが低いよ。そんなマインドのまま、いずれ上司になったときにどんな仕事をするのか...うん、やっぱりもうテクニック、ツールは通用しない、と考えよう。



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2010/07/03

久々に「いい本」に出合えました


『幸せな売場のつくり方』兼重日奈子
[1/104]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★★

いいです。感動します。表紙のイメージや内容の構成からは予測しずらいけど、有益な、そして実践できるビジネス書として「あり」。結構「あたりまえ」のことが書かれているのかもしれないけど、実はその当たり前ができていないことが多い。
売上が落ち込み(外的要因も含めて)、チーム内のコミュニケーションもバラバラ状態の「お店」。そこに登場する、店長、チーフ、パート、新人、それぞれがどんな「悩み」を抱えていて、それに対して「今」どう思っていて、どう変わっていくのか...そのストーリーはドラマを見ている感じ。本書ではファッション店だけど、自分の今の環境と重なる部分が多くて、例えば「売上の落ち込み」「外的要因」「チームワークの欠如」...ここにでてくる店長はまさしく自分に置き換えられる。結構「入れ込んで」読めちゃう。
実際に「店長」は売上の点、チームワークの点で悩みを抱えており、仕事へのモチベーションも下がっていた。そこに登場する「販売コンサル」の先生にアドバイスももらいながら...この先生は、でも何も手を動かしてない。店長の本来持っているポテンシャルを引き出している。
まずは「売上」にあまりにも執着しているマインドを変えること。何のために仕事をしているか、という点も含めて店長自身のモチベーションのリセット。「売上を上げるには、『売上のあがる店』をつくること」これって深い意味を持つんだけど、読んでいく中でその「意味」は見つかる。見つかったよ。そして売上とは別に「店長の理想のお店をつくる」目標セット。これは効いた。まさしく「これ」が自分が今ほしかったこと。
店長のマインド、そしてもひとつ大事な「チームビルディング」。これってまさしくコミュニケーション。チーム力を高めるのにテクニックはないんだよね。「話すこと」これ以外にないんだ。ここをテクニックやツールで補おう、補えるかも、っていうゆるい気持ちがあった。認めなければならない。でもやっぱりそうじゃないんだよね。その相手の持っている「本質」を信じて理解すること、なんだろうな。正直今自分の周りを見れば本書のドラマのように「バラバラ」。どうしたらいいのか偏頭痛になるほど悩んでいるけど、「話す」ことなんだろう。きっとそう。
とにかくこのタイミングで読めたのは何か「引き寄せ」ではないかと思うくらい、自分の環境を見て書かれているんではないかと思うくらいの「ライブ感」。参考に、というよりは刺激をもらいました。あとは、実行。それのみ。くじけそうになることはある。でも理想があればいける。はず。



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