- こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)
- 発売日: 2008/01
[13/97]BookOff
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K-amazon ★★☆☆☆
そういえば、「経済学部」の出身です。当時は「行動経済学」なんて言葉、知らなかったかな(学んでいないだけかもしれないけど)。人間は「最適化」を求めて合理的に行動する、という前提で組み立てられている「経済学」は実態が感じられず、「学問のための学問」にすぎない、故につまらない、故に勉強する気が起こらない...という「言い訳」に使っていた気がする...反省。そんな中から出てきた「行動経済学」は、ヒトは必ずしも合理的な判断だけをするわけではない、ということ。社会人になって、「価格」という評価軸の元、競合他社に比べて必ずしも「勝てる」価格ではない商品を売るためにどうしたらよいか...見せ方だったり、おまけだったり、サービスだったり...を考えてきているが、これがまさしく「行動経済学」であり、合理性のみを対象にするという前提では、生きられない企業が大多数であるんだね。つまりは「学問」なんて意識をしなくても、その意味合いは実社会の中で、考えていかなくてはならないこと、だったりする。20年近く社会の中でいると、そもそもの「経済学」に対して、ほとんど興味がなくなるのだけれども、「行動経済学」だって、まだまだ距離を感じる。というか知らなくてもいい世界だったりする。
この本でも経済学者のセンセたちが、日常のいろいろな場面で「経済学」的な見方をしていて、「ほら、経済学は身近でしょ」ということを訴えているけれども、現実に社会で行動している人間からすると、まだまだまだまだ遠い存在である。実態を経験したうえで、「これを経済学的にみると」こうである、という考え方には、「面白い」と感じるところも少なくはないけれども、「学問」から発して、実社会でどうする、という逆の流れは起きにくいんじゃないかな...数字の見方、視点の角度とか、世間ではこう言われているけれど実はこういう側面もあるよ、というのは重要だと思う。その「考え方」の発想の元になるように学ぶのは「あり」です。が、「経済学では」という切り口で、わかりにくい「論評」だと、結局「後付け」になってしまうし、「ひとごと」感が満々としていて、どうも「近くない」んですよねー。
あと、これが気になるんだけども、どうも「難しく」言おう、という気が強いんじゃないかと思う。難しいことをシンプルに、というのが「学者」の方々の使命だと思いますよ。だって、学者さんの間だけで完結するものではないでしょうから。本を出すんだったら、それを第一に考慮してほしいなあ。本を選ぶのだって、知名度などで「合理的に」選択するだけではない、のですからね。
【ことば】...すべての議論は、インセンティブと効率性という観点から世の中を見るという経済学の思考方法が用いられている...
おっしゃる通りなのでしょうけれども...この考え方は「経済学」に近いですよね。結構ヒトは「情」で動いたりするものであって。「合わせて何%が云々」ということよりも「Aさんはこうこう」というミクロ的なものが実は求められていますね、今の社会では。
こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)
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