- 知識だけあるバカになるな!
- 発売日: 2008/02/09
[8/92]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆
大学の先生が、現代の大学生の「レベル」を目の当たりにして、「どうあるべきか」を説く本。人文系の学問を始めるにあたって、基礎教養として見つけるべきものを指南しています。
・「疑うこと」が大事、でも、その後自分を高めるための「疑い方」でないと、知識を得ようとする行動につながるような「疑い方」をすべし。
・「そんなことは知っている」と口にする際に、「本当に知っているのか」と認識を正しくすべし。「知っているつもり」がいちばんよろしくない。
・自分の言葉で教養を身につける。特定の学問だけ、ではなく広く基礎知識=教養を身につけておくことは非常に大事
等々、「学問」を始める学生に、何が大事なことなのか、というのを書かれているけれど、おそらく、学生時に読むよりも、社会人経験をしえ振り返って読んだ方が、身につくようなことが多い、と思う。自分が学生の時は正直それほど「知識欲」がなかったから、かもしれないけど、当時に読んでもあまり「当事者」としての意識が持てなかったんじゃないかな...(それではいけないんだけどね)。けして過去を後悔する気持ちから、ではなくて(後悔したって「あの頃」をやり直せるわけではない)「今だから」修正できることもあるんだよねー。それは積んできた経験とか、その結果の今の環境とかによるんだけど。当然「学ぶのに『遅すぎる』ことはない」わけだし、人文系の学問でも、社会の中での仕事でも同じことなんだよね。仕事だって、そのベースはコミュニケーションなわけで、「人文系」だしね。
特に、「知っているつもり」とか「知っているふり」を戒める箇所は、常に意識をしてなきゃいけないと思った。「知らない」ことへの不安からそうなる、と著者は指摘するが、まさにその通りで、「知らない」ことを認識することの重要性を再確認。「知らない」と自覚して「知りたい」につなげればいい。
もう1点、「教養」=基礎的な素養の重要性。学生対象としては「専門の学問を学ぶには、その前提としての基礎教養を身につけること」ということだけど、これも「専門の学問」に限らない。すべての事項い言えること。自分の分野以外でも広く「基礎知識」を持っていてマイナスはない、というよりも、幅広い教養を持つことが専門分野の知識を広げることにつながるんだよね。これも実感できます。
...「大学生のときに読んでおけば...」というレビューも見かけますが、むしろ社会人で読むほうが実感も得られるし、その後に活かすことができる。社会人だって常に勉強するべき「学生」だからね。
【ことば】こうした「分かっているつもり」病は...ブログなどで、他人が書いた本について否定的な“書評”をしている人には、そういう傾向の人が多い...
...反省です。
知識だけあるバカになるな!
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