2011/05/18

こういう存在が必要なんだね

『信頼する力』遠藤保仁
[10/94]BookOff
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

Wカップ、アジアカップ...「にわか」サッカーファンらしく、日本代表戦(だけ)は熱く応援しています。そんな表面的なサポーター(とはいえませんね。単なる応援団です)故、著者の名前は知っているけれども、役割とか、普段どのチームに属しているのかすら知りませんでした...日本代表のキャプテンではないけど、キャプテンが退いた時に「腕章」を受け取る髪が長い人、くらいの認識でした。
ただ、PK、FKなどの技術はすごいなあって思うこともあり(そのほかのスキルは素人にはわからない)、重要な位置を担っているんだろうな、とは思っている。この著作を読んですんなりイメージが結びついたんだけど、カズやゴンのようなタイプではないが、自分のスキルを高めようと真摯にサッカーに向かい合い、そのプレーを以て他人を引っ張るタイプ、とお見受けします。実はその方が大変だけれども、本質的な意味でチームを引っ張り、若手の見本になるタイプなんだよね、こういうのって。やろうと思ってできることではなく、「真摯に」その分野で前向きでいつづけること、これが最重要何だと思う。選手としてみれば、プレッシャーが最大級にかかるような場面でも、落ち着いてプレーをしている。見ているこちらのほうが(勝手に)焦っているだけで、彼(ら)はもちろん目の前の局面に集中する。そんな姿をかっこいいと思うのだった。積み上げてきた経験、そして積み上げてきた自信。これが人間を大きく見せる、それが見ているだけで感じられる場面。
タイトルにあるように、本書のベースは、キープレーヤーとしての著者が、属するチームの長である代表監督に対して、「信頼」することの重要性を説く。これはWカップで、戦前の予想を上回る結果を出したから、ということでもないだろう(本が出たのは「結果」によるものだと思うが)。個人として、ではなくチームのキーパーソンとして、チームが監督を中心にまとまるかどうか、これが「戦う」集団として備えるべき最重要ポイントだということが伝わってくる。
一人称を「俺」と表記し、他の選手を愛称で表現するなどは、出版側の意図なのか分からないけど、30歳の大人としては、多少違和感。サッカーの現場感を表すテクニックのように思えるが、そんなテクニックは不要ですね。遠藤選手ご本人は、もっと人間としてしっかりした方だと思いますが、そこが多少「少年っぽい」イメージになってしまっているような気もします。本当はタイトルにあるような「信頼が大事」ということがメインテーマだと思いますが、「Wカップについて思うこと」というイメージが強くなってしまっている感があります。
30歳...自分の「その時」と比較したら、段違いに「かっこいい」ね。新らしい代表では最年長ということ。過酷なスポーツであることを思い知らされる。そして「最年長」の遠藤選手には、「追加される役割」がでてくるようになる。ご本人も自覚されているようだ(そこが素晴らしいです)。応援します!

【ことば】...他人からの評価はまったく気にしない。人の目を気にするより、大事なことは、自分を信じて、プレーに集中することだ。

まったくもって。ただ、これを言いきって前に進むには、「自分の中に」信念、指針、目的を持つことが前提だと思う。ぶれない何か、を。それがあれば他人の目は気にならない。

信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題 (角川oneテーマ21)

0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter