2011/01/14

かなりのカクドで「本質」です

凡人のための仕事プレイ事始め
凡人のための仕事プレイ事始め
  • 価格: ¥ 1,450
  • 発売日: 2010/05/13
『凡人のための仕事プレイ始め』中川淳一郎③
[8]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

振り返ってみると「社会に出て」からもう20年以上経過している。「仕事」って何?って、これまで考えたことはなかったけど、ここ数年、特にこの数カ月、「仕事って?」考えることが多くなった。考えたところで何か「ソリューション」が見つかるわけでもなく、「自然と」次の日の朝は会社に向かっているわけで...不健康だね!考えていることがどの方向に向かっているのか、それが見えないのはとても不健康です...そんな不健康な自分が図書館の棚で出会った本。著者の本は、『ウェブはバカと暇人のもの』で大絶賛し(これまで読んだ本の中でもTOP3に入る!)、『ウェブを炎上させるイタい人たち』で物足りなさを感じ...とこれで3冊目ですが、「バカと暇人」を超えるものではないけれども、かなり痛烈な痛快な内容です。前述した「仕事とは?」の答えとして、明確に「エラい人をもうけさせるため」「金のため」とソリューションを提示し、仕事の仕方としては「怒られないようにする」とこれまた明快。「結局だれでも代替えできる仕事が大半」とか、普段読んでいるハウツー本には出てこない表現だらけですが、実は本当はそうなんだよねー、が多数見つけられる。広告代理店からライターに転身した経緯、これまでに出会った関係者の行動、限りなく「実話」に近い形で、現場、というより「もろ」現場感満載の記述は、それこそ「もろ」の世界で(その世界にしかいない)私たちにとっては、やはり痛快なんですね。「先生」たちが、理想的な組織論だの仕事論だの言っても、現実はこういうことなんだよ、っていうのが「イタ」いほど実感、共感できる。
そこまで表現できるのはすごいし、それが本になることもすごいし、プロのライター故の「読ませる」テクニックも素晴らしい。でも、せっかく読んだ本、それだけでいいのか?っていうのは当然でてくる、気づく点なんだよね。「エライ人をもうけさせるための仕事、これが現実」→じゃあ、その「現実」の中でどうふるまえばいいのだろうか、とかね。
この本では終盤に、著者自身がその「答え」を提示してくれてます。つまりそういう中でも「仕事は素敵なんだよ」って。これはこれでいいのかもしれないけど、前半が「痛快」だった分、終盤が「いいこ」すぎて、なんだか前半の魅力が半減してしまうところもある。であれば、皮肉たっぷりの「現実」を最後まで貫いて、考えるのは読者自身が本を閉じてから、という方がカッコいい感じがするんだけどなあ。ひねくれてるかな。
これまでの「ウェブ」とは少し離れた話題ですが、この著者はやっぱり面白い。魅力的ですね。

凡人のための仕事プレイ事始め

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