- 知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
- 発売日: 1976/04/23
[6]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆
帯に「不朽の大ベストセラー」とあるように、1976年の刊行以来、多くの人に読み継がれてきている本。改めて今の時代に「知的生活」という言葉の響きが新鮮に、魅力的に映る。タイトルには「方法」とあるが、それは「精神的な」方法、すなわち考え方とか取り組みのことであろうと、事前にイメージを膨らませていた、過ぎていたのかもしれないが...その内容は、どちらかといえばテクニックというか、物理的な「方法」というか...読書の重要性も説いておられるが、蔵書の整理や、そのための家屋の設計まで。それは正直どうでもよいというか...最後には、恋愛、家族にまで話が及び、「知的生活」のためには家族は邪魔、みたいな「テクニック」までご披露いただいて...もしかしたらその時代は、そういう考え方があったのかもしれないけれど、愛する人をもたず、住居も「蔵書」を優先して考え、つまりは「知的生活のための生活」にして、自分の世界で本を読む。これがはたしてなんであろうか?という気持ちになってしまう。これは「時代」による変化なのか、人間のタイプの違いなのかわからないけど、本質的に「知的生活」を実行するのは、あくまでもアウトプットありき、なんだと思うけどなあ。自己の知識を高める、自分が「知的生活」であることに満足感(ゴール)を求めるのは、やはり自分の考えとは違う。違うことは、考える主体である人間が違うのだからあって当たり前の話なんだけど、正直、書庫をどのように配置するか、という住居の間取りを図示されても、当惑するだけだわ。
「身銭を切って本を買う」とか、何度も擦り切れるまで読み返して初めて、本質的な「よさ」がカラダにしみこむ、といったような内容は理解できる。自分も多少なりとも本を読むタイプとして理解可能な範囲である。が、「本」が主体である必要はない。本を自分の中に取り込んで、最終的には(どのような形式であれ)アウトプットできるかどうか。これが「読書術」だと思うけどなあ。甘いのかな。
知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
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