2011/01/13

ゆるい「元気」もらえます。

『サラリーマン合気道』箭内道彦
[7]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

「広告屋」の本業の他にもイベントやらMCやら各メディアに露出している(らしい。見たことはない)著者の「クリエイティブ」論。これは広告「的」なクリエイティブに限らず、あらゆる仕事をしていく上でヒントとなるTIPであるように思える。曰く「企画倒れ上等」「ま逆の発想をしてみる」等々。
いわゆるコンサルタントの「仕事論」とは異なり、「現場感覚」があるし、元々の著者の性格も(書かれている限りでは)非常に「一般的」で親近感がわく。そして説いていることも、特に無理な、突拍子もないことではない。「発想を柔軟に」「既成概念にとらわれず」ということであろうと捉えた。
しかしながら、著者は明確には書いていないが、ここにあげられたTIPSは、当然に「当たり前のことを理解している」土台があることを前提にしている。たとえば「思いついたアイデアはメモをせずに、頭の中にとどめる。メモをとると枠にはまる。忘れてしまったらそのレベルのアイデアであった、ということ」というのがあった。これは、「思いついたアイデアはメモしておこう」という「一般的な」ノウハウ本にある考え方へのアンチテーゼであるけれども、おそらく著者は「メモをとる」という経験を経た(少なくとも知識として得ていた)上で、こちらの方が「クリエイティブ」という判断をご自身でされているのであろう。すなわち、何も土台がないところにこの本で紹介されているような「逆説」的なテクニックを用いても、表面的にすぎない、ということ。さりげなく著者も言っているけどね。
タイトルの「合気道」は、つまり「相手の力を利用して最大化する」という意味合い。要はコミュニケーション重視、という姿勢である。これは「ノウハウ本」と一致していることであろう。つまりこれが土台であり、本質である、ということなのだろう。「合気道」というフレーズは、(自分には)正直それほど響くものではなかったけれども、書かれている「表面的な」内容以上のものを感じる箇所は少なくない。仕事は一人ではできない。人生は一人では生きられない。そんな「あたりまえ」のことを見失ってしまうこともある。

サラリーマン合気道―「流される」から遠くに行ける

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