2011/01/07

泣けました。自然と。

だいじょうぶ3組
だいじょうぶ3組
  • 発売日: 2010/09/03
『だいじょうぶ3組』乙武洋匡
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「五体不満足」の著者が、実際の小学校での先生体験を「小説」として描いた本。障害を持ちながら担任となり、5年生の生徒とともに成長していく姿を描き出す。半分フィクション、半分ノンフィクションという前提でありながら、子供たちの「こどもらしさ」と、それを引き出す先生の「一所懸命さ」に胸を打たれる。電車の中で読んでいて、読み続けたくて降りる駅で降りなかった。それほどの「ハイリコミ」でした。目がうるんだよ、何回も。
「フツー」ってなんだろう?「オンリーワン」でいいの?「他の人と違うことって大事」考えてみれば、当たり前のことばかりだが、子供の頃にはわかっていても、大人になってしまうと見失っているものがこれほど多いんだなあ、って実感。5年3組の生徒たちが力を合わせて向かっていく姿に、そして「困っている人がいたら手を差し出す」その姿に、大人になって出来なくなった、或いはやろうと思わなくなった、見ようとしなくなった自分を見つけた。「ヒトとして」当たり前のことが、実は出来ていないことが多い。自分の子供と接しているときに感じることでもあり、改めて自分を見つめ直す機会になる。
「障害を持った」先生が、子供たちと一緒に何かを成し遂げる、という内容だけれども、主人公はあくまでも「子供たち」。それが貫かれているし、にじみ出ている。途中から(早い段階で)先生が「障害者」であることを別になんとも思わなくなっている自分がいる。もちろんこれは「小説」であることもあるので、現実の世界はどうなの?という気がないわけではない。でも、そんなことはどうだっていい。だって、「5年3組のみんな」は輝いている。成長している。それだけでいい。ここから何かをつかみとるんじゃない。この中の子供たちの「いきいき」を感じ取ればいい。そんな本の読み方もあるんだよね。いい本にめぐりあった、感謝。

だいじょうぶ3組

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