『ザッポスの奇跡』石塚しのぶ
[17/48]AMAZON
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正直その名称すら知らなかった企業だが(ECという枠組みでは「同業」であるが...)、副題にあるような「アマゾンが屈した」企業がホントに存在するのか...?半信半疑で読み始めた。
ありえないくらいに「素敵な」企業スタイルが描かれている。売上がどう、仕組みがどう、ということは少なく、企業文化として、従業員満足を作り、徹底する姿勢について、書かれている。すごい。所謂「カスタマーセンター」は、この企業においては一部署ではなく、会社全体がその姿勢を持っている、ということ。そもそも靴の通販というのが、個人的にはどうも信じられないのだが(自分では買おうと思わないので)、配送の仕組み(すぐに届ける、という「あたりまえ」の手法ではあるが、これがなかなか仕組み化できないのが現実)や、例えば、欠品の場合に他社で買えるところを紹介する、など...具体的であり、且つ、「お客様満足」という企業文化が徹底されていなければ、絶対にできない「事例」がいくつも紹介されている。
好景気のときは、「売り」一色でもそれなりに成果は出た。でも今は、それだけじゃいけないことは身をもってわかっている。わかっているけど、じゃあ、何をしているのか、何をすべきなのか。これができていないのが実情。そんな閉塞感にヒントになった。なった...かなあ。正直困難なテーマ。働く企業(自分の場合はチームと捉える)全体に、その意識を植え付ける、その意識を徹底させる、というかそれを「自然」になるようにする。それは必要ではある(と思う)が、時間もかかる。その時間を耐え切れるのか?その時間は「売り」はどう扱うのか...考えても進まないんだけどね。うん、やるしかないんだな。
この本の全編に渡って(というかザッポスという企業が持っている)貫かれていることは、「お客さま、会社、そして従業員」の3者がハッピーになることの重要性。よく言われる「win-win」という言葉はあまり好きではないのだが、こういわれるとなんだか納得できたりする。最近よく耳にする(のか、意識するようになったのか)のが、「従業員の満足」というキーフレーズ。働いている人がハッピーでないと、お客さまにハッピーを提供することはできない。う~ん、その通りだよねえ。そしてそのためにはリーダーもハッピーである必要がある。あるのか?これについて述べているものを見つけたことはないけれども、きっとそうなのだろう。
「働く」ということの意義を考え直すきっかけとなりそうだが、お客さまに何を伝えるのか、というテーマに対しても刺激になった。「関係性」つまり「信頼」かな。これはすなわちチームメンバー間にもいえることだね。
ひとつ疑問なのが、こんなにすごい「お手本」なのに、これまで聞いたことがなかったのはなぜなんだろう?ということ。これから耳にはいってくるようになるのだろうか...
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