『上司という仕事のつとめ方』松山淳
[6/37]Library
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世にヤマほどある「リーダー論」。図書館の棚で見たときにはそれらと変わらない内容、程度の期待しかなかった。著者の名前も(失礼ながら)しらなかったくらいで...その手の本は大概「強くなる」「こうほめる」「こうしかる」の類が書いてある。実践してみようかな、くらいの価値がまったくないわけではないけれども、どうも自分のキャラからして無理しているような感じがして「実践」には至らず、ということが大半。
この本は...違った。さすが「心理カウンセラー」だからなのか、「無理しないでよい」「上司だって人間」という論調で貫かれ、読んでいる途中、読み終わった後の感覚が「すがすがしい」。読んでいて「ほっとする」本はそうそう出合えない。それを「刺激が無いからよろしくない」と見ることもできるけれども、結局書かれていることは「人と人の関係性」であったり「1人の人間としての自分」であったりするので、あまりに背伸びするよりは、「ほっと」するほうが健康的。
一番の要因は、「現場感」だと思う。著者はおそらく「悩みを抱える上司」からたくさのヒアリングをしていると思われるのだが、取り上げられている事例が悉く「今の自分の周り」に置き換えられる。これが大きい。現場を知らずに書かれている「リーダー論」「チームビルディング」とは全く違う。
今自分も「部下」を抱える身として考えてみる。自分は彼らの成長を心からサポートしているのか?心から信用しているのだろうか?そこに「愛」(←最近の私のお気に入りの言葉)はあるのか?もう一度振り返ってみる。彼らの成長を阻害しているような、自分がしゃしゃり出るような場面はないのか?話をしにきた部下に対して「話を聞く」姿勢が取れているのか?できていない。まだまだ。意識はあるけど、そこを邪魔するものはいったい何なのだろう?
今の自分の「部下」=チームは、素晴らしいチームであることに自信を持っている。それは確信。でも彼らが本気で「成長」するための土壌を作り上げる、という自分自身の役割を見失っているのかもしれない。考えてみる。
直接の本筋とは違うけれども、焼きついて離れない言葉を見つけた。最近参加したセミナーで耳にした「非効率の効率」という「座右の銘」を肉付けるものだと思う。
「回り道にしか咲かない花がある」
深い。回り道が必ずしも間違いじゃない。いや、むしろ合っている、と思えるくらい目標に向かっていればきっと大丈夫なんだね。信じること。大事なことがそこにある。
図書館で借りたので返さなければならない。これ、買おうと思う。著者のメルマガ登録、Twitterのフォロー、もちろんしました。
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