2010/03/24

読みづらいことってこうゆうこと


『このブランドに、いくらまで払うのか』白井美由里
[13/44]Library
Amazon ★★
K-amazon ★

図書館の棚で目に飛び込んできたんだけど、所謂コンサル系のビジネス本だと思っていた。けど中身はハウツー本ですらなく、統計の本、もっといえば学会用の論文みたい。
まさにタイトルどおり、であり、「いくらまで払うのか」について、各商品カテゴリーにおけるブランドに対して、「インターネット調査」した結果が書かれている。顕示軸(もっていることで自分の付加価値になるかどうか)、感情・思考軸で分類した4象限、「自動車、ファッション、テレビ、香水」について、そのアンケート結果が示されているんだけど...
とにかく読みにくい。これは自分のレベルの低さを露呈しているのかもしれないけど、本文はこんな表記だらけ。

「差別化ベネフィットでは、支払い価値の高い人は「土地・住宅(t2=-3.03,p=.003)」「スポーツ観戦(t2=2.50,@=.013)...に関心があり、低い人は「インテリア・雑貨(t2--2.01,p=.046)...

もちろん図表はあるけれども、なにがなんだかわからないし、これらが複数ページにわたって掲載された後に「結論は、様々である」なんて書かれていると...

少なくとも、たとえ例示されている「自動車、ファッション、テレビ、香水」関係の企業でマーケティングの仕事をしていたとしても、ヒントになるようなことは得られまい。次元が高いのかな、とも思えるけど、少なくとも「現場」の臭いはまったく感じられないし、もっといえば、そこにいる消費者が見えてこない。アンケート結果の「回答1」にしか見えない。研究者であるのならば「インターネット調査」ではなく、対面等直接的な方法で収集したほうがよかったのではないかな...

最後に著者の略歴を見ると、所謂学者、センセであった。つまりマーケティングのこちら側の経験がない方。そりゃこーゆー見方をするわなあ。このアンケート結果によって「ブランドの価格」を論じることが乱暴なのかどうか、それすらわからないけれども、何か学んだとすれば、「研究者のマーケ本は読まないほうがよい」ということか。少なくとも、この本(図書館で借りたのでなんとか...)に対して「いくらまで払うのか」という質問がもしあれば、私の答えは決まっている。

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