- ガイアの夜明け 不屈の100人 (日経ビジネス人文庫―日経スペシャル)
- 発売日: 2007/06
『ガイアの夜明け 不屈の100人』テレビ東京報道局
[10]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆
正直、テレビ番組は見たことがないんですが、大企業から個人、公機関に至るまで、「熱い」モノを持っている人がこれだけ並ぶと壮観です。もちろん、「本編」ではもっと深堀しているのでしょうが、一人数ページでは、表面的になってしまいますが、それでも、「成功者」たちの並々ならぬ努力と、思いが伝わってきます。
2005年前後の収録が多いので、日本経済がやや持ち直しつつあるものの、新しい価値観が芽生えてきた時代にあたるのでしょうか。何年も続く大企業であっても、厳しい時期に差し掛かってきた中で、「元気」な取り組みは、すなわちそれにかかる「人」の思いの強さであることを、改めて感じることができます。
競合からシェアを奪う、下り坂を回復させる、新しいアイデアをカタチにする。本の数ページでは分からない、1時間の番組でも収まりきれない「生きざま」があると思われます。どの年代であっても、どの職種であっても、彼らは「かっこいい」。人として生を受けたからにはこう生きねば、という刺激を得られます。
が、若干の違和感を感じるのは、5,6年という時間の経過のせいでしょうか。当時には既にその萌芽があったと思われますが、「企業」という概念が従来のもののままのように感じられます。
会社のため。株主のため。利益追求。
もちろん、これらが悪いわけではないし、経営者が多いので当然そういう作りになる。また、番組のコンセプト自体がそうであるのかもしれませんが、数ページの「まとめ」ではその部分だけがハイライトされていて、少々「前時代的」に感じられます。
言い方の問題でしょうが、「企業は社長のもの」「株主の利益がすべて」という発言もあり、今現在またはこれからの時代に完全に通用するかどうかは疑問です。そこで働く人間、その財・サービスを享受する消費者の視点が、かなり少ないように感じました。
それは「きれいごと」なのかもしれませんが、その財・サービスが受け入れられるかどうかは、アイデアと、消費者への貢献、という視点が、かなりの比率をしめているように思います。利益はその結果であって、最初に立つものではないと。某警備会社が業界大手のシェアを奪ったとき、お客様の注文を得た時に、営業マンが「してやったりと思いました」と笑みを浮かべるのは、どうも共感できない...
「甘い」のかもしれませんが、モノアフレの時代、選択権は消費者にあること、サービス提供側も消費者であること、金を持っていても必ずしも幸せでないこと、このあたりが加味されると、成功者たちのエネルギーは、何倍にもなります。多分、持っているはずですけれどね。
【ことば】...「いつも学びがある。患者からも学ぶ」...
明治生まれの医師、日野原先生の言葉。後進への技術の伝授もそうですが、このような、心からの考え方があるかないか。自ら結核を患った経験から「患者のために尽くす医師になろう」という意思を持ち、今なおそれを追い求めている。かっこいいです。
ガイアの夜明け 不屈の100人 (日経ビジネス人文庫―日経スペシャル)
>> 本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
キノキョウ
昔の縁の下の目立ちたがり屋
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