- 父親になるということ (日経ビジネス人文庫)
- 発売日: 2011/05/07
『父親になるということ』藤原和博④
[2]bk1
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K-amazon ★★★★☆
リクルート「戦士」であった著者が、もしかしたら、初の民間出身小学校長になったきっかけになったのかも、という内容の本です。仕事の関係(?)で4歳の長男を連れてイギリスへ。その地で改めて感じることになった、「こどものせかい」が描かれています。
子どもの感性、可能性、視点といったものを、「大人の『常識』」の枠にはめていないか?という疑問。日本の企業人という立場を一旦離れ、子どもと接する機会、子どものために使う時間が増えて、始めて「何か」が見えてきた、という著者。「大人の都合」を押し付ける不自然さを、これでもかっというくらいに感じています。
同年代の息子がいる自分にとっても、とても気になる本。経験のなさが言葉にして説明できないだけで、子どもは子どもとして、「今」を生きているんだ。それをアタマゴナシに型に嵌めることの、「怖さ」もあるんだなあ、と思う。もちろん、経験不足を補うのは、経験を積んだ大人の役割だけど、「これがいい」という基準が、「大人の視点」になってしまうことはある。それも必要な場面はあるんだけど、「それだけ」だと、自分(の価値観)に対しての「いいこ」にしかならないのかもしれない。
本書の中で、著者が誓ったのが、「ちゃんとしなさい」「早くしなさい」「いい子ね」を言わないこと、だそうだ。確かに「ちゃんと」って、何をもって?どうすれば?という具体性に欠ける(大人でも難しい)し、「早く」は、大人の都合によるものだったりすることが大部分だろう。
自分の場合、どうかなあ。学校に行き始めたら、基本的には「ひとりの人間」としてみるようにしている。いや、努力している。娘息子は自分にとって「宝物」だけれども、「所有物」ではない。父親としてどう映っているか、なんて気にしたことはない。ただ、「見られている」意識は強いし、勉強するときはこちらも一緒に勉強したり、あまり接点がない分、「父親として、母親とは違う」一面を見せることも大事かなあって思う。
って言ってはいるけど、「ゆうこと聞きなさいっ」って怒ったり、「早く!」とか言っちゃうことも少なくないね。それは反省。実際に、「一緒に」何かをやっていると(動物園にいったり、本を読んだり、なんでも)はっとするようなことを言ったり、成長している姿に感動したり、刺激を受けることは少なくないんだよね。もう少し大きくなれば、「社会」のことも話すようになるんだろうなあ、って思う。
本書にもあった(奥様の発言だった)けれど、短所をつつく、追い詰める(もちろん改善してほしいから、だけど)よりも、いいものはいい、悪いことは悪い、と伝えること、どうしてそういう仕組みになっているのか、子どもに分かる言葉で説明すること、大事(と思える)なポイントはいっぱいある。
「正解のない」子育て。本書にもその「正解」はありませんが、「父親」としてどうあるべきか。どう接していくのか、なんとなく「ヒント」は得られます。それを自分の環境にアレンジしていくことですね。
もちろん前提には、限りない「愛情」があります。
【ことば】英語で説明することがコミュニケーションなのではなく、分かりあうことがコミュニケーションなのだ..
イギリスの学校で、なかなかなじめないこども。でも、親が考えるような「言葉の問題」がすべてではなかった、という話。外国語、についてだけではないよね。語彙が少ない子どもとだって、コミュニケーションはとれるのだ。分かりあうこと、心の底から伝えること、愛をもつこと。
父親になるということ (日経ビジネス人文庫)
>> 本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
とんだいのブログ②
そういう方向で
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