- ネットのパン屋で成功しました
- 発売日: 2003/07
『ネットのパン屋で成功しました』田中明子
[8]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★☆☆☆
ネットのパン屋。ネット通販利用頻度は低くはないけれど、パンを買ったことはない。買おうと思ったこともないです。それでも「成功した」人の話を読むのは楽しいので...
パン屋さんは大変みたいです。パン屋ってイメージがいいんだけど、極端な消耗品(店頭に何日も置いておけないもんね)だし、特別な理由がなければスーパーで十分だし...という市場だから、特徴を出すのにアイデアが必要なんだろう。著者のお店は「高級品」をメインに置く。そして店舗(実店舗)の「世界観」にかなりの重要度を置く。それが差別化につながり、「日常品」とは異なるパンを提供するビジネスを実現、成功した...
素晴らしいですね。20代のフツーのOLさんが、特にそれまでパンに思い入れが強かったわけではないけれど、本書には詳細に書かれていない部分も含めて、相当の努力、勉強をされたことと思います。失敗も数多くあったのでしょう。初心、信念を貫く意思の強さが、成功を導いたのだと思います。サポートしてくれる人たちが周辺に集まったのも、そんな「思い」が呼んだのでしょう。
さて、タイトルにある「ネットで成功」は、読み進めてもなかなか出てきませんでした。店舗を始めることを思い立ってから、ロケーションや内装、もちろん商品構成等、開店に至るまでの諸々。オーブンの選び方や、天然酵母へのこだわりなど、著者の強い「思い」が貫かれている様子はうかがえるのですが...
なんだか、店舗開業のための「実用書」みたいなイメージでした。ネットでの展開は、わずかしかなく、ネットでの展開(集客や運営)については、ほとんど触れられておらず...そのあたりは「肩すかし」でした。もちろん実店舗だろうが、ネットだろうが、「接客」には変わりないので本質は同じなのかもしれませんが、タイトルからして「ネット運営の場合はここに気を使った」というようなものがあるかと思ってましたが...
実店舗で成功したことが通用しなかったり、逆にネットだから気をつけたポイントがあったり、そんなストーリーだと「看板に偽りなし」だったんだけどなあ。
パンを作りたい、売りたい、っていう人にはいいのかもしれません。あまりに「ネットで」という箇所にこだわった自分とは、ちょっとずれていた、ってだけのことです。著者が厳しい市場で成功したことについての素晴らしさが薄れることはけしてありません。できればタイトルを考慮いただければ...
【ことば】...本当に輝いている人は、無駄な威圧感の無い、素直でやさしい人ばかりだと思います。
成功した著者が言う言葉だけに重みがあります。確かに「ビジネスで」成功した人でも、威圧的で自己中心的な人は「輝いて」いませんね。そして著者のいうように、成功した人は、最初から輝いていたわけではないのかもしれません。人しれず、そして人の何倍もの努力をしている。そしてそれを表にださない。「プロ」とはこういう人のことをいうのでしょう。
ネットのパン屋で成功しました
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