2010/05/27

日本の「パタゴニア」が浮かんだ!


『社員をサーフィンに行かせよう』イヴォン・シュイナード
[14/79]Rental
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

実家が目白にある。んで、パタゴニアという店は目にしている。目にはしているが入ったことはない。そもそもファッション系に無頓着、そしてアウトドア系に興味がない自分には別世界に見えたので...
この本を読んで、「そこまですごい企業なのか...」と思い知らされた。内容の半分は「環境問題」に触れているが、そちらはいろいろな意見があるので正直よくわからない。(できうる限り環境に悪影響を及ぼさない商品作りを試みている、としているが、究極は作らなければよい、という意見もある)
タイトルからも想像できるが、ここの社員は(日本の店の社員はどうかわからないが)、自らが「アウトドア派」であり、「いい波」が来ていればサーフィンに出かけることができる。営業時間中であろうが関係なく。ただし、業務成果については厳しいようで、好きな時にサーフィンに行ける=仕事を後回しにしてもよい、ということではないようだ。
理想的である。そのマインドが徹底されている、という前提のもと、(サーフィンにでかける)社員は、「出かけない」時間に「仕事」を責任をもって行う。また各人がそういうマインドでいるので、社内の結束も高まる。繰り返すが理想的だねー。これはマネできない、と直感的に思った。自分でも(いいといわれても)きっとできないだろうと思う。これに関するくだりから読んだことは、(著者の本意ではないかもしれないけど)「サーフィンに行く」=「プロに近い感覚を持つ」=「お客様に『プロとして』案内できる。或いは、本当にサーフィンの楽しさを伝えることができる。ここではないだろうかと思う。最近気にしている「社員満足」という点では大いに同意なり。ここまで徹底できるかは不明だが、この考え方は「正しい」と思う。
会社としても(この本に書いてある限りでは)「売上(或いは利益)の最大化、(会社の)成長促進」というところをポイントにしていない。むしろ敢えて「着実」な進歩になるようコントロールしている感じである。働く理由、会社の存在意義を「地球への貢献」と明言しているところに、ビジョンの明確さ、方向性のブレの無さを感じる。自分の属する通販業界でいうと「三鷹」の会社がアタマに浮かぶ。ここまでの徹底ぶりかどうかはわからないけれど、マインドの違いが話すたびに感じられる。いいなあと思うけれどもまねできない。小手先ではなく、そもそもの土台が異なる感じだ。
この内容は感動するか、覚めた目でみるかどちらかに分かれると思う。AMAZONの書評も見事に二分されている(「否定的」な方が「参考になった」度が高いのが気になるけど)。「理想」を追い求めるのか、ハナから異次元であるとあきらめるのか...自分はどちらだろうか。「自分の会社」だったら実行してみたい気もするが、「守るもの」があるとできないのかもしれない。今の環境で考えれば、「考え方」を取り入れるしかない。考えよう。行動をまねしなくても、なんらか近づくための「変化」は起こせるはずだ。
内容的に触発されるところは多かったが、何せ「挿入」(たとえば「手紙」とか「記事」とかのコラム的なもの)が多く、流れで読みにくいところがあった。時間がかかってしまったなあ...
今度一回お見せに入ってみようと思う。その「空気」を体感してみたいと思う。

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