2010/05/13

とはいえ「カネ」だけではない。


『人はカネで9割動く』向谷匡史
[7/72]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

まずは著者が「ヤクザ」の世界に詳しいという前知識がなかったので、挙げている事例がほぼその世界であることに驚愕。そしてタイトルから受けるイメージ=カネにモノ言わせる的な内容では一切なく、「価値のある使い方」という点、そして、自分のイメージを高めるためにどうふるまうべきか、「カネ」という直接的なものも含めて、「バリュー」という視点で描かれている。
「その世界」の話が多いので、読み物としては刺激的。いっきに読めちゃう感じ。内容的には直接自分に響くものは少ない。「芸能人某は、人気が落ちていると思われたくないので(ステイタスとして)常に高級車にのり続ける」「できるホストは将来的なリターンを見越しカネを使う。ケチくさいそぶりは見せない」等々、確かにそうだなあ、と思えることもあるが、それゆえに「底まで落ちてしまう人」が後を絶たないんだろうなあ、っていう穿った見方をしてしまったり。
本書のメインである(と思われる)、「目先の利益にこだわって支出を惜しむことは長い目で見た場合に得にならず」という考え方はハラに落ちる。多少の背伸びをしてでも「虚栄心」「ミエ」というのは成長するためには必要なこと。それに後付けで「中身」が伴っていけばいい。中身ができてから、という考え方ではレベルが一向に上がらない、ということは理解。あとはどれだけ「背伸び」をするか、という幅の問題だろうと思う。身なり、接待、人づきあい。すべてにおいて「背伸び」することは必要だと思う。それを自分自身に対する「刺激」にすればいいだけの話だから。
タイトルの割には、そんなことを考えさせてくれる本。「わかっちゃいるけど」という内容が多いのは事実だけど、「読み方」によっては刺激にはなる。

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