2010/05/17

で?


『ウェブ大変化』森正弥
[9/74]AMAZON
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

「コンピュータ」「インターネット」...気がついてみれば、その「革命」の真っただ中で生きてきた自分にとって、もはや「特別なもの」ではなくなっている感覚であることに気がつく。高校から大学にかけて、パソコン通信、ウィンドウズ95といった波にさらされ、使い道よりも所有することが第一義だった時代、いつのまにかそれを「道具」として使う仕事をしている自分、そして...自分はシステム屋ではない。けれどもその波に比較的近いところにいるという認識はある。仕事以外にもこうして「読書録」をウェブ上で展開している。そもそもウェブを使おうという発想。すなわちこれが少なくとも自分にとっての「インフラ」が大きく変化していることを示す。
本書はもっと前からそれを予言していた人たち、そして現代のさらに進んだ技術や、その「革命」の大きなうねり(「クラウド」という言葉に代表される)を、説明。その後に、そのうねりの中で自分たちはどう生きていくのか...というのがテーマ。
であるはずなのだが、前半の「現況」に大部分を割いているのが事実で、1500円出して買う(売る)単行本でやるべきことなのかどうかは極めて疑問。どちらかといえば、「その中で『人間』の役割」というところに多くを割いてほしかった。なぜならそこが「読む」ということに対する対価、価値であるから。でもそこが薄い。確かに技術の進歩は私のような凡人が想像するを超えている。ただ、それについては「受け入れる」ことが大事なわけで、自分の立場としてはそこにどのようにアイデアを付加していくのか、そのためにどの部分を受け入れるのか、どうやって生かしていくのか。それが肝要だと思っている。著者は「敢えて」それに触れなかったのかもしれないけれども...「それは自分で考える。そのベースとなるところを知らなければいけない」というスタンスであるならば、そういう視点で考えるならば★追加ではある。
読む人によっては「すげーなあ」で終わってしまう危険があるように感じる。自分もそうならないように気をつけたい。読み始める段になって初めてしったのだが、著者は楽天の役員をされている方ということで。そうか、「書きたくても書けない」こともあるんだろうね。買うときの注意力が足りなかったかも、だ。

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