2010/05/12
深い、けど自分には、まだ早い...
『成功して不幸になる人びと』ジョン・オニール
[6/71]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★
これまで読んできた本は「どうやって成功するか」または「成功者はどうしてきたか」。この本はその「先」を行き、「その成功でよいのか」という、「成功」の「内容」を問うもの。成功を成し遂げた人たちが、実は何かを犠牲にしている(家庭だったり、自分を抑えつけていたり)ことを、「それでいいの?そうならないためにこうしましょ」という内容。
成功にたどりつくために自分の「裏側=シャドウ」に隠し続けてきたものが、成功に達したときに噴出しかねない。それをどう「ガス抜き」するのか。「シャドウ」に放り込まれたものを直視し、それとつきあう方法が説かれている。直接的には「充電」という言葉で表現されているが、自分では気づかない(あるいは気づかない「ふりをしている」)慢心ということが主テーマである。
自分はまだ「慢心」に至るほど成功に近づいていない、と思っているので、直接的には響く内容ではなかった。けれども「変わり続けなければいけない」「変わらないといけないタイミングをどうつかむか」という各論には「今」の自分でも参考にすべきところは少なくない。成功は、「成功する」よりも「成功し続ける」方が何倍も難しい。未だ「成功する」ことすらできていない自分にとっては「し続ける」域まで達してはいないけれども、一時的な成功のために何がどうあっても、どんな手段をとってもその水準に達する、ということが「し続ける」という将来を考えたときにはけしてよくはない、ということも認識できた。とはいえ、まずは「成功する」ことに達しないと、「し続ける」挑戦権も得ないんだけどさ...
特に「新しい」ことではないけれども、「変化すること」の重要性、そのための時間をとることの重要性(一歩引いて考える時間を能動的に作ること)、メンターの必要性...精神的に「仕事をすること」が最終ゴールになってしまう前に意識すべきことは多い。そうなってしまうと惰性で(仕事)時間が増えてしまったり、それで満足してしまったり、ということになりかねない。でも。実はそういう時期ってあった。「成功」とは(残念ながら)無関係ではあるけれども、「仕事をしている自分って素敵!」みたいな自己満足の塊になっている時期が。傍からみれば不格好だったんだろうなあ。
今の自分のように「成功する前」に読んでおいてよかったのかもしれない。成功するための道程を考えてみるきっかけにもなるね。
内容とは別だけど、わかりやすい事例もふんだんにあったんだけど、全体的になんとなく読みにくさを感じてしまった。それはなぜなんだろう...ひとつは(こまかいんだけど)「句読点」の置き方がなんとなく自分の感覚と合わないもどかしさ。それによって「翻訳だなあ」って思ってしまう(だからって「原書」を読める英語力はない)。これは訳者のせいかと思ったが、「あの」神田さんが監訳されているので自分の未熟さであろうと思う。
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