2009/10/23


[なぜ、伊右衛門は売れたのか。](115/BookOff)

Amazon ★★
K-amazon ★★★

競争が激烈な緑茶飲料市場において、爆発的ヒットとなった「伊右衛門」の成功秘話。結構「軽め」に読めてしまい、「涙の成功物語」ではない。
直前に、プーアル茶「熟茶」で大ゴケしている開発チームが、それを乗り越えて、緑茶飲料の「ど真ん中」に新商品を投入する、というチャレンジをした、っていう話です。「なぜ売れたのか」という話を、商品開発の観点からをメインに書かれているけど、ちょっと安っぽいテレビドキュメンタリーのような感じで、おそらく同じ内容のテレビ番組であれば最後まで見ないだろうなあ、っていうレベル。商品開発チームは「メーカーの視点だった」と過去を反省するが、「成功」した伊右衛門についても、この本を読む限りでは「メーカー視点」を脱していない気がする。それを超えるものを見出すことはできなかった。どちらかといえば「サントリー」(という大手)だからこうやってできた!というイメージであって、もちろん実際にはすごい苦労をされたと思うのだが、その「熱さ」は伝わってこなかった。(この本自体が「宣伝」のような気すらしてしまう)
ただ、一つの新商品の作るのに、そしてそれをある程度の「成熟市場」に投げ入れるために、多くの人が違う立場からひとつの目標を掲げてそこに向かって邁進していく、という「チームマネジメント」には共感。しかもこのプロジェクトを引っ張った主要メンバーたちが、今の私とほぼ同年代という点からも。
失敗を「次」に活かせるのはすごいと思う。実際には失敗だけで終わっている人の方が圧倒的に多いとは思うが、それをつなげていく本人たちの気概、それを許容する環境、これをなんらかのヒントにできれば...まったく違う分野ではあるけど、そういう読み方でまずは納得、かな。

繰り返しになるけど、誰もがしっている「大ヒット」商品であるので、本の流れももう少し「ドラマチック」であるとよかったなあ、って思う。

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