- 先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
- 発売日: 2011/05/10
『先送りできない日本』池上彰⑥
[8/148]BookOff
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民主党政権、官僚、外交、財政赤字、消費税...緊急ではなくとも将来を考えると今から決めなくてはいけない問題があります。農業の問題や、間接税(消費税)の問題は、その時のリーダーは「先送り」にしてきた傾向があります。「次の選挙の」票を減らすことは口にしたくない、という発想「だけ」でしょう。保身のほうが、国家の将来よりも優先順位が高いという姿勢です。高い支持を得た小泉首相ですら消費税の議論を「先送り」しました。(諸々の環境やそもそもの資質の問題はありますが)管首相はTPPや消費税増税の問題を取り上げます。が、そうするとマスコミはじめ「集中攻撃」が始まり、票が減り、身内から「辞めてくれ」と言われ、論点が「人事」にすり替わり、本当の議論は先送り...
しかしながらこの「先送り体質」を超えるような事態が生じています。震災、原発事故。この事態は時間を争うものであり、これまでのような保身や党利などを考えているひまもありません。 与党野党、マスコミもすべてひとつのこと=復興支援、事故終息に向けてひとつにならねばなりません。
民間は早速動き始めました。「先送り」にすることなく、義援金や節電協力、行動がありました。さて...あまりにも悲しいことに、政治、官僚、そしてマスコミは、ここでも「先送り」体質を抜けられませんでした。首相交代など、相変わらずの「人事」一色。思いつきレベルのようでその質としてはほめられませんが、「動こう」という意思は、皮肉にもリーダーシップを失った首相からしか感じられません。
何度このストーリーを目にしてきたことでしょうかね。民間の方々のアクションに、同じ日本人として「熱い」ものを感じる一方で、「センセイ」たちの動きの悪さっていったら....でもね。おそらく「動かない」方たちばかりではないはず。だって私たちの「代表」でしょ?そのために税金を使っているんでしょ?それを伝えずに「人事」や「上げ足」だけを追いかけるマスメディア、報道のレベルの低さ、でしょうね、問題点は。得に「テレビ」の壊滅的な低レベル。ここが問題ですよね。テレビに出ている著者はそこまでは突っ込めませんよね...
本書の特に政治への批評的なものは、従来の池上さんの論調よりも少し踏み込んだもののように感じました。この論調で「メディア」への批評も聞いてみたいところです。ここにあげられたTPPや中国外交、国際金融、などの問題は、現政府の震災へのバラバラ対応のおかげですっかり「先送り」にされているようです。どう変われば、どう変えればいいんでしょうかね...この「閉そく感」が不況を呼ぶような気がしてなりません。
【ことば】国や行政の助けを待たずに、自分たちでできることから取り組んでいるのです。お上に頼らない、これこそが、日本の未来を切り開くのだと痛感しています。
現実として受け入れる「正解」なのかもしれません。「お上が何かやってくれるはず」という考え自体が、人任せ、先送り、ですね...一市民であっても自ら「動く」ことしかない。誰かに...という発想はやめよう。他人は変えられないもんね。
先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
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