2009/11/05


[情報調査力のプロフェッショナル](123/AMAZON)

Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

Amazonのレコメンドで「買ってしまった」本。であるが、内容は結構面白かった。
実際に「情報」をどう調べるか、どうしたら効率的に集められるか、といった内容ではない。「情報力」とは何か?という本質的なことが記されており、(ありがちな)チープな「ネット検索の手法」的な話ではないところが結構響いた。
「情報力」=検索の仕方がうまい、ということでは、当然に、ない。本書で幾度も書かれているように、
「ビジネスにおけるリサーチのサイクル」即ち、
1.知識ギャップの認識
2.自分の情報源リストとのすり合わせ
3.情報の獲得
4.検証・判断
5.伝達
6.自分の情報源リストの整備
を意識することが何より肝要である、ということ。
ネットで検索することは、このうち「3.」という一部に過ぎない、ということ。これ、つまりは良く使われるフレームワーク「PDCA」に他ならない。またこの意識を常にもっておけば、調べること=目的にはなりえない。現実、「目的」がはっきりしないうちに「調べる」ことって、結構ありがちな話であって、結果を導き出した後に、「で?何が見えたのか?」ってことは良くある話。これってつまりは初動=設計がなっていないってこと。調べることが手段でなく目的になってしまっている可能性もあったり。
ある程度のビジネス規模になって、名称はともかくも「リサーチ」担当を設置したりすることがあるけど、それって、「3.」だけの切り離した業務になってしまって、結局はギャップが生じるリスクは高い。当人にとっては「目的化」してしまうリスクも多分にあるわけだ。これ、留意しなければいけないね。

某化粧品通販会社の方と話したとき、「その後につながらないデータは、そもそも集めない」という話を聞いて、以後、「情報を捨てる」という意識を強くしたことがある。何が何でも「集める」のは、やっぱり「目的」が曖昧であるということに他ならない。

業務上、「数値」を扱うことが多いが、自分で実施する際にも依頼する際にも、結構「本質」として意識してかなければならないこと、に気づかされたことが多かった。

一つだけ...書かれていることの「本質」ではないけれども、この著者の「顔」が見えにくかった。文書が平易で読みやすくはあったけど、印象に残るような記述が少なかったか...面前に「データ」に関する課題を抱えていない環境の人が読んでも、ちょっと厳しいかもしれない。


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