[プロの残業術](124/Bookoff)
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K-amazon ★★★★
時短、ノー残業、効率化、生産性...そんなことが溢れている中で、残業は「悪」なのだろうか?著者は「私が今得ているステイタスは、これまで残業をしてきたからだ」と言い切る。といって、残業を奨励しているわけではなく、「残業せずにみんな定時で帰ろう、ワークライスバランスを!」と声高に言われていることをそのまんま受け入れるだけでいいのか?という問題提起、というふうに読んだ。
かなり刺激的。
「出来る人は残業しない」類の本はやたらとあるけれど(読んだことはない。読もうと思ったこともない。参考にならないのはわかっているから)逆の主張、アプローチはそうそう見たことがない。
「ノー残業」という枠の中だけで考えていては、「イレギュラー」の仕事はできなくなる、挑戦する発想がなくなる。それに気づかないのが一番危険。
.....その通りだね。そもそも「残業」ということに囚われすぎている感はないか?必要なら時間をかける。残業してもやるべき価値があるものを見出して、それに賭けていく。考え方の起点が違うんだね。「上からの声」で定時で帰るのが正しい、という枠で最初から考えてしまっては、そこから何も生まれない。時間に縛られてるだけじゃん。そこから「時間まで座っていれば、それでいい」という発想が生まれてしまう。
残業云々ではなくて、仕事に取り組む最初の考え方、取り組み方、そこから根本から考えてみる、そんな気づきを与えてもらった。
「残業」とは直接関係ないけど、
「新しいプロジェクトは、『まずは着手してみる』、まずは一回ししてみる。そうして軌道にのれば後は進めていくことができる」
という箇所が一番響いた。(その「最初の一回し」の為には残業してでも取り組むべし、という流れ)
これ、すごく「現場」を言い得ている。企画・設計→準備→実施→検証、という流れを考えてみれば、どこが一番大事なのか、全体を見ていればわかってくる。最終目的を見失わなければわかってくるはずだ。企画→準備、ここまでで滞っていたら、つまり何もアウトプットはない。ゼロということ。実際に動かさなきゃいけない。またそれが検証の為、であってはいけない。確かに「最初の一回し」には多大な労力、工数がかかる。でもやらなきゃ何も変わらない。ここが「仕事」であり「プロ」になるための第一ステップなのだろう。
このように、「残業すべし」が最初にきている内容ではない。その時間をどのように使うか、という視点での話し。もっと言えば、本当の「仕事」をするために必要なことは残業してでもやるべきである。それを「ノー残業」の旗のもと、やらなければ、即ちゼロだよ、っていうことが書かれている。
いいね。職場の今置かれている状況、課題、取り組み方のヒントがある。これは読む価値あり、です。
ただ...同じ著者の本(「部下は育てるな!取り替えろ!!」)を読んだときも感じたことだけど、結構「本質」を言い当てているのは間違いないんだけど、そのタイトルのインパクトや文書の書き方で、受け付けないヒトも多いのではないかな...もう少し読みやすくて後味がよければ、もう一個★付いたかも。
好き嫌いはあれど、私の周りにも読んで欲しい人が結構いる。どう感じてくれるか...