- もっと声に出して笑える日本語 (光文社知恵の森文庫)
- 発売日: 2009/08/06
『もっと声に出して笑える日本語』立川談四楼
[5/41]Library
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k-amazon ★★★★☆
噺家さんなんで、特に言葉には敏感なようで、飲み屋を始め街中でたくさんのネタを仕入れてくれてます。その「仕入」のアウトプットが本書。
笑えます。言葉を扱うプロでもあるから、読みやすい。肩肘張らずに気楽に読める分、クスリ、と軽く笑える場面がたくさん出現します。
そしてオヤジギャグ、受け狙いじゃないかとちょっと疑うようなネタ、このあたりで笑わせてくれながら、ちょっとした言葉使いの由来とか、そんな教養も教えてくれてますよ。気づかずにいつのまにか身についているかも、です。実はそのような身につけ方が最も有効なんですよね。机に向かって暗記するよりも、やっぱり「笑いながら」覚えちゃうのが一番忘れにくい。
パソコンの誤変換、お年寄りの珍解答、アナウンサーの言い間違いなど、痛快でありつつも、実はこれらって「正解」がわかっていないと誤まった変換、解答を笑えないんだなあ、と気づいたんだね。落語家さんだから、言葉に対する感性が普通の人よりも研ぎ澄まされている分、味のある間違い、笑い飛ばせる間違い、こういうのが「向こうから飛び込んでくる」感じなんだろうね、常にアンテナはってる状態にあるから。
こんな箇所がありました。
□を埋めなさい。人を見下すことを何というか。
鼻で□□□。
小学校の国語の問題。実に3割が、□□□に、「かくね」と入れたそうだ。若者風のアクセントなしのフラットな発音で「鼻、でかくね」。見下してますよね。正解ですよ、これ。
こういうのを目くじら立てるのではなく、「笑える」に分類する著者の感性、好きですねー。
もう一つ試験ネタで、
「あたかも」という言葉を使って文章を作りなさい。日本語を学んでいる中国人の解答です。
「冷蔵庫に牛乳があたかも」
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実は30年以上前の小学校時代の思い出の一つがこの類なんです、自分にとって。鼻血が出るほど笑った記憶があって。
日本語、言葉に対する感性が鋭いと、なんだか得をするような気もしてきました。本を読むのはその一環ですね。
本書を読む時間、楽しい時間でした。
【ことば】役人はあまり仕事をしてはいけないんだそうです。出ず引っ込まず、目立たず、「仕事をしているフリ」が一番なんだそうで...
言葉の面白さを追求する著者も、官僚、政治家に対してはちょっと厳しい。そこがまたスッとする、痛快な気分にさせてくるんだね。アナウンサーの軽微な間違いとか、(笑える、ではないが)イチローの言葉が好き、なんてところは著者の庶民性、人間性が垣間見えて、なんだか距離が近い感じ。
もっと声に出して笑える日本語 (光文社知恵の森文庫)
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『感動の仕入れ!』日記
かさぶた書店
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