- 親が伸びれば子は伸びる (朝日文庫)
- 発売日: 2011/11/04
『親が伸びれば子は伸びる』陰山英男
[10/27]bk1
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K-amazon ★★★☆☆
100ます計算の先生です。同じタイプ(と自分で勝手にカテゴリーしている)藤原和博さんの本が面白かったので、陰山先生も...と思って読み始めます。
テーマは「親として子どもとどう接するか」になります。ご自身のお子さんはもちろんですが、小学校教育の現場におられて、数々の子ども、親御さん、先生方と接してきている「プロ」ですので、かなり「切り込んだ」内容を期待しておりました。
が、残念なことに、あまり「刺激的」な内容は見つけられませんでした。教育のプロとして、斬新なデザインをされていた背景には、強い信念をもっていらっしゃると思いますが、その内容が教育や反抗期の対応のみならず、家族旅行や自動車、はたまた「犬を飼うのがよろしい」まで広がってしまうと、やや散漫なイメージになってしまいます。
もちろんそれらは、教育の場としての家庭という意味で、親と子の接し方、将来的な展望を考えれば、必ずしも遠すぎるものではありませんが、勝手に自分が期待した、「100ます計算」の意味や創造、そこにどんな意味が含まれているのか、といった方が面白かったと思われます。それらの記述もありましたが、 全体として広がりすぎてしまったが故、重みが薄れてしまいました。
ただ、一貫して、「子どもと接する親」(教師-生徒、ではなく、親-子)の立場、考え方、実行の仕方(自身が実行してきたこと)を伝えてくれています。これはタイトル通りです。
年代によって、その対応を変える必要はありますが、子どもの成長に素直に感動し驚く、一人の人間として接する、特に小さいころから大事なことはカラダで覚えさせる...当たり前のことですが、「愛情」を持って、将来に向けて子どもを大事に思う、ってことです。
なによりも、親自身が子どもから見られていることを意識し、また(見られていようといまいと)仕事や人生について、自信を持って「いい顔」をしていないとアカンなあ、って改めて考えさせられましたね。そりゃそうですよね、一番近い「大人」が元気のない人だったら、子どもはどう思うか、考えれば(考えなくとも)分かります。
タイトルにあるのが、まさにその「集約」です。ここは重要なポイントなので、だから余計に、クルマの話や、旅行計画はインターネットも使おう、的な話は不要かと。それらこそ、それぞれの家庭事情に寄るものであり、普遍的な話ではないわけですし...
先生の「純粋な」教育論を、次は読むべし。
【ことば】「子どもは親の言うようにはしない。するようにする」まさしくその通りだ。
先生の[ことば]ではないようだけど、言ってみれば本書の核心をひとことで言い表しているもの。子どもはかわいい。かわいいけれども、かわいいからこそ、社会をわたっていけるような「人間性」を身につけるよう、親が支えなくてはならない。その前提として、まず親がそれを備えていること、ですね。
親が伸びれば子は伸びる (朝日文庫)
>> 本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
さくらのまなびや
matsuhara
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