2011/11/29

野球の本ではありません。経営学です


『パリーグがプロ野球を変える』大坪正則
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思い起こせば、「天邪鬼」的にパリーグが好きだった。山田、福本時代の阪急ブレーブス、清原、工藤時代のライオンズ、その後「横浜大洋」の時代を経て、川崎時代から千葉へ移転した時からマリーンズに入れ込む。今とは比べ物にならないほど「巨人」一色だった時代。「みんなと同じじゃ...」というヒネクレから派生したものかもしれないが、共有できる話題が限られている中でも、自己満足に浸っていた。おそらく(記憶が残っている中で)一番最初に行ったのが、後楽園球場の阪急vs日ハム戦で、阪急の帽子を買ってもらったから、だと思う。当時のチビッコは、「野球帽」に特別の思い入れがあって、多くが持っている「GY」との「差別化」を図っていた(?)のかもしれぬ...
川崎球場で、もう23年も前になるけれども、近鉄とロッテの試合(ダブルヘッダー。最近はないね)を観戦したことも、「思い入れ」を強くした。当時はどちらのファンでもなかったが、「いい試合」を見ることがこれほどエキサイティングであることを知ったのがこれである。しかしながらそれ以外はたとえ「いい試合」であっても、観客席はガラガラというのが、「パリーグ」の最大の特徴であった。コドモゴコロにも「これでいいんだろうか」って思えるくらいのガラガラ。それを変えていったのは、ヒーローの登場と、そして本書にあるような「経営努力」なのだろう。イチローの登場と、新庄の入団は、「人」の面での革命的な変化であった。それまではスポーツニュースですら、「結果」しか伝えられなかった状況から、場合によっては、「最優先」が約束されていた読売戦を凌いでトップ、ということも出てきたのだ。そして、近鉄の消滅、楽天の登場も含めて、新陳代謝が行われたこと。新しく参入してきた企業は、「今」の時代にあった経営手法で大きくなってきた企業であり、球団の運営にも当然にそのエッセンスを投入する。オリックスが、ダイエー、ロッテが、日本ハムが優勝すると、「地域」という側面が強くでてくるようになった。その本拠地が所属する地域の盛り上がり。これは、1993年のJリーグの開始も影響しているであろう。「地元チーム」を応援することが、ニッチだけれども、自己の満足を満たすことを知ったことは、プロ野球を大きく変えるきっかけになった。
今でも依然として読売中心で回っていることは事実であり、なんやかや言われつつも、プロスポーツ団体を運営するテクニックは読売がアタマ一つ抜けているのは事実だろうと思う。読売以外の球団が、観客増のために「巨人戦」を望む中、「経営努力を」と言い続けた読売の主張はある意味、正しいのかもしれない。が、時代は変わりつつある。あきらかに。けして遅くない速度で。楽天、日本ハムのような経営努力、本業との位置づけ、相乗効果を生み出す仕組み作り。これを施行錯誤の中から見出したところが「勝つ」のかもしれない。親会社の「広告宣伝」としての位置づけだけでは、球団単体の赤字が許されるような環境ではなくなっている。ローカルな鉄道会社が、その所有するプロ野球球団で「全国宣伝」しても、直接的な意味合いはなくなってきているのかもしれない。
非常に身近な「プロ野球」ましてや「パリーグ」がテーマなので、面白く読めたが、あくまでも経営の本。プロ野球球団という「ソフト」、しかも非常にお金がかかる「子会社」をどう生かすのか、というのがテーマの経営学です。

【ことば】親会社依存度が高いために、球団は経営の自主性が薄れてしまうし、何か新しいことを行って事業の活性化を図ろうとする時も必ず親会社のチェックを受け入れざるを得ない...すべての案件が前に進まなくなってしまう。

プロ野球だけではなく、よくある話なのかもしれない。これを打破するためには、球団が独立した組織として自立し、その利益構造を、生み出していくことなんだろう。これには強力なリーダーと、そして関係者(親会社以外)の意識が「そこ」に向かう必要があるはず。これに果敢に挑戦しているのが、「パリーグ」であるかと思う。そして一球団だけではなく、「パリーグ」の繁栄を視野に入れた努力があれば、間接的に帰ってくるものがあるはず。


パ・リーグがプロ野球を変える 6球団に学ぶ経営戦略 (朝日新書)

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しがなき男の楽天イーグルス応援ブログvol.3
manachika

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