- 通勤数学1日1題
- 発売日: 2011/08/25
『通勤数学 1日1題』岡部恒治
[11/198]RakutenBooks
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K-amazon ★★★☆☆
数学の面白さ、数学の「考え方」の面白さを教えてくれる本。事前にパラパラとめくった範囲では、「三角錐」だの「歯車の回転」だの、あー苦手...と思わせるものだったけれど、(著者が何度も言うように)アタマの中で分解して考えることで、ハッと気づくものがある。そして気づいたときの爽快感。多分、数学の好きな人は、この「見つけた」瞬間がたまらないのだろうと思う。
算数から数学に至って、正直苦手な科目のひとつだった。国語や社会のように、「覚える」ことができればなんとかなる、というのは比較的できたと思うのだが、「暗記」で対応できない数学は苦しかった...そして人生で唯一のアカテンは、今でも鮮明に覚えているが、展開図、図形の問題だった。「このうちのどれが立方体になりますか」っていうアレです。アタマの中で折って重ねて、っていうイメージを作るのが苦手なんですよね...未だにこの部分は克服できずにいますけれど。
本書にでてくる問題も、どこかで「公式」を頭に入れようとしている自分がいて、それに気づくたびに軌道修正。プラレールの線路の面積とか、歯の数が異なる歯車AとBがあって、Aを回したときにBは何回転するか、とか。「こんなもん、実社会で役に立つもんか」っていう拒否反応を極力抑えて、その内容を楽しむことにしたけれど、丸いもの(あるいは立体)を、直線にしたらこうなる、っていう考え方で「解ける」ことは自分にとっては発見でした。三角形の面積、台形の面積、これらも「公式」を覚えているだけでしたが、その意味を知ることは非常に重要なことだと再認識。アタマを柔らかくすること、視点を変えること、目の前にある複雑なことを、自分の知っている世界に分解すること。これらって、実は実社会で役立ちます。要は「考え方」の点が大切ってことですね。
歯車の応用問題、終盤になると正直ついていけなかったけれど、「数学的な」考え方、というのを学んだ気がします。こういうのを「分からない人に教えてくれる」のはとてもありがたい。また図形特に立体の分解の仕方を、本という紙面で説明するのはかなり困難だと思われますが、そこは「分かりやすく伝える」という著者の思いも相まって、真剣に取り組めば、必ず「わかる」説明になっています。特に数学が苦手、図形が...という人にとっては読んでみる価値は十分あります。
著者は、有明にあるリスーピア(パナソニックの科学館)を監修しているそうで。もう何度も足を運んでいます。子どもが楽しめるスポットだけど、科学が苦手な大人でもめちゃ楽しいスポット。「へぇ~」「すごいな」が自然と口から出てくる施設です。楽しさを伝えてくれる、こういう科学者に感謝いたします。
【ことば】...数学は本質的なことがわかれば、複雑な計算を省略できますし、ほとんどのことを覚えなくてもすむ...
う~ん、ことは数学に限らず、ですね。本質を見失った、「手段と目的の混同」ほど(時間)コストの浪費はありません。最近では中学入試でも、本書のような「パズル」的な問題がでるようです。そう、「暗記」では到底太刀打ちできないようなものが。そして社会でも同じ。「基礎」があれば、その先の「応用」をしなければなりません。その時にこの言葉を思い出します。「本質」を見ること。
通勤数学1日1題
>> 本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
徹也
m.o.b(モブ)
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