- リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)
- 発売日: 2007/03
『リクルートのDNA』江副浩正
[16/172]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆
著者のイメージは、リクルート「事件」が一番強い、そんな世代です。何をして証人喚問されたかはよくわかりませんが、「お金の感覚」が自分のような者とは違うんだろうなあって、そんな印象を持っています。
著者が創設した「リクルート」という会社については、就職活動の際、または学生時代のアルバイトの際によく使った「情報誌」が鮮明に記憶の中に。発想からして「画期的」であったのでしょうが、今現在は、「元リクルート」の人の活躍が自分の周りにも存在していることもあり、その「社風」が気になるところではあります。
この本は、その創業の話もあるけれども、どちらかと言えば著者ご本人の「考え方」とか、個人的な内容が多い。師事している方々、感銘を受けた本などなど。もちろんリクルートそのものの創業からの苦労話もあるのだけれど、発展時期の本社移転の話や、不動産絡みの話も多い(そういう会社もありましたもんね)。どちらかといえば、「リクルート出身で、今、各方面で活躍している方々」の当時の話とか、そういうのを期待していたんですけれども...
「情報」という、当時はまだ「産業」ですらなかった時代に、そこを構築したアイデアとか、突進力、「1位でなければ意味なし」という気合、それらは尊敬に値するものです。「マネ」はけして悪いことだとは思わないけれども、「無」から形を起こす、社会におけるひとつの要素となるまで大きくする、というのは並大抵ではないと思う。そういう点ではもちろん天賦の才能の持ち主でもあるけれども、もっと大きなものは、著者の徹底した実行力だと思う。アイデアを持っている人は数あれど、それを実行する人は限られた数になり、そしてそれを継続する人はわずかな数になるのだろうと思う。
「事件」がどのような影響を与えたのか詳しくは分からないけれども、本書の中にも(たびたび)出てくる不動産の話や、本社移転の話などを見るにつけ、やはり金銭感覚は、「フツーの」人とはかけ離れているようだ。BtoCのようでありながらBtoCである業務内容のせいか?本書を読んでいると、どうも「消費者」との距離を感じてしまった(「社会貢献」というテーマもお持ちのようではあるが)。分からない人間が勝手なことを言うけれども、金銭がらみの「事件」も、起こるべきして...という推測もなされてしまう。
自分の周りにいる「元リクルート」は、「江副時代」よりも後、だと思うけれども、「営業」面で、特異なセンスを持っている人が多いように感じる。勝手なイメージが大部分だけれども、「元...」と聞いて、「ああ!」と思ってしまうことも多々。悪い意味ではないし、悪いイメージもない。優秀な方が多いのも事実だし。
内容として、リクルート社に絡んだ人であれば、創業者の話としてなんらかの感銘をうけるのかもしれないけれど、「外側」の自分としては、ここから何を読みとればいいのか、分からずじまい。「そんなリクルートスピリットを持とう!」というメッセージでもないし。「1回リクルートで働いてみれば」くらいか。ものすごく「できる」人であり、また、そもそもが大学生起業の方なので、そういう「一般的な」メッセージも欲しかったなあ。
【ことば】誰でも努力はする。問題は努力を継続できるか否かである。
そうだよねー。「継続」ですよね。元来「あきっぽい」自分には耳が痛い言葉ではある。「始めること」も重要であるが、「続けること」も重要。「飽きた」時にどうするか、何度も経験している場面だけれども、次こそ...
リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)
【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね
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SPADE-10日記
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