2011/09/15

それほど?ですか?確かに「いい話し」ですけれど...

涙の数だけ大きくなれる!
涙の数だけ大きくなれる!
  • 発売日: 2008/09/04

『涙の数だけ大きくなれる』木下晴弘
[8/164]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

書評、レビューを見れば「感動」の嵐。もちろん帯にも絶賛の言葉。得てしてこの手の「宣伝」には裏切られることが...読み始める、冒頭から、本書を読んで感動した「体験談」がズラーっと並ぶ...やりすぎじゃ?
確かにいい話はたくさん載っています。塾講師である(あった?)著者の、塾生に対して「どうやってヤル気を起こさせるのか」という話、そこには、「感謝」の気持ちを思い起こさせることだったり、「心にささる」言葉を使うことであって、その場限りのテクニックなどとは正反対にあるものです。挿入される(生徒に対してお話されている)話も「感動」するものがたくさんありました。中学生の頃はとかく、「自分がひとりで大きくなった」感を持ち、そして親を疎ましく思う時期。そんなタイミングで、「親への感謝」を思い起こさせる挿話。その話で強制的にヤル気を起こさせるのではなく、生徒自身に「気づかせる」ことを第一とした...本質的です。心にしみいります。
が...アマノジャクの自分としては、やはり過剰な「感動」を読む以前に与える数々の「宣伝」がどうにも邪魔でしょうがない。もちろん書籍販売はビジネスでありますから、多少過剰な宣伝も必要でしょう。が、あくまで読む者がどう感じるか、という点が大事であって(著者自身も言っている「気づき」の部分ですよね)、読んだら必ず感動せい!的な文句のひとうひとつが、やや価値を下げてしまっているような...そこまでひねくれているのは自分だけ、あるいは少数派なんでしょうけれどもね。
勉強でも仕事でも「ツライ」時は訪れる。その時にどうするか。自分はどう乗り越えるのか。相手がそういう位置にいる場合に、どのような手を差し伸べるのか。「相手」の場合は、そう、テクニックではダメでしょう。本書に書かれていたような「本質的な」サポートがあるべきだと同意します。が、自分自身であったならば...「つらくても明日までがんばれ。明日になったらまた「明日までがんばろう」と思おう」というのとはちょっと違うかと思う。切り開いていくのは自分。壁にあたったら乗り越えることも必要だし、乗り越えられる高さの箇所を探すことも大事だと思う。高い壁に挑戦し続ける努力も必要だが、「乗り越えない」選択肢もある、ということを知らなければならない時期はくるんだよね。大人になればなるほど。(残り)時間の概念が変わってくるからさ。
本書を読む場合は、なるべく「外の声」を遮断して読み始めるのがいいと思います。しつこいですが、読む前から「感動するよ、絶対に!」という言葉を浴びると、「感動しなきゃ」ってなっちゃいます。それではもったいないので、素の状態で読むのがベターかと思います。

【ことば】保護者と生徒を幸せにして、一番幸せだったのは実は先生たちなのです。塾がしてあげられる最高のことをした結果、自分たちが幸せになれる。

勉強の合宿に向かう生徒。先生たちはサプライズで親から子への手紙を持っていきます。勉強につらくなったこともたちはその手紙を読んで、親へ返事を書きます。「ありがとう」の手紙と生徒たちが合宿から帰ってきます。喜びの報が塾に届けられる...素敵な話ですね。幸せって、近くにあるのに気付かない、気づかないふりをしているのかもしれません。

涙の数だけ大きくなれる!


【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね

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