2011/09/05

その前に...「シンプル」にするテクニックが必要かも


『いちばんシンプルな問題解決の方法』諏訪良武
[2/158]RakutenB
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

どんな「問題」もたった2つの質問で解決してみよう、という夢のようなハウツーを紹介...その質問は、
・タテの質問=その原因を1つあげてください
・ヨコの質問=その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?
たったこれだけ。「タテ」で問題を深堀りして、「ヨコ」で展開する。そしてこれらに当てはまらない、つまり自分(たち)で解決できないような問題(たとえば社会情勢)には触れない。シンプルですねー。
問題解決に関するハウツー本の内容を、無駄をそぎ落として限りなくシンプルに、分かりやすくしたような内容です。タイトルにある『いちばんシンプルな』は偽りではありません。
多くの「問題」は、確かにそれで「ほどいて」いくのが解決の本質だと思われます。が、もうひとつのポイントは、「シンプル」に分解できない事情をどうするか、という点。自分たちではどうにもならない「変えられない」要素については、現実的にはこれがその環境の大部分をしめていることが少なくないと思われます。いわゆる「しばり」ですね。この閉塞の中にいると、「シンプル」にしたが故に、実効性が乏しかったり、(その点に触れないと)そもそも問題解決を目指すことの意味が見いだせなくなる危険性もあります。
おそらく現実の世界では、その「しばり」によって、シンプルに考えることができない、或いは考える意味がない、ということが多いのでしょう。この部分をどう考えるか、どう「いなす」のか。そこが「問題解決」のポイントかもしれません。これのキーワードはおそらく「ヒト」になるんでしょうね。テクニックではクリアできない点が、やはり「人」の問題だろうと。売上数字や業績、実績についても、突き詰めれば「人」の問題にあたるはずです。
ハウツー本がどうも自分の中に入ってこないのはこの点がやや不足していて、テクニックに重心があること、です。事例や「使い方」について、この本は非常に優れている内容だと思いますが、「その上」の問題については、やや力不足の感があります。まあ、この「上級編」を本で解決しようと思う、その考え自体に誤りがあるような気もしますけれどね。
社会人で最初に出会う「問題」に対しての「解決」としては、有効なツールであると思います。自分の場合は、読むタイミングがよくなかったかなあ、という感じです。

【ことば】問題解決の場合には、効果度と実現可能性の高いものを優先させるのが、ベストな方法です。

重要度、緊急度で優先順位を決めるのは間違いだと著者の論。これらを重視しすぎると、肝心なことが後回しになってしまう危険が...「目」の向け方、ですね。これは問題解決の極意ではないかな。なかなかこういう視点を視野にいれている人は少ないのが現実だけれども...

たった2つの質問だけ! いちばんシンプルな問題解決の方法―「タテの質問」で掘り下げ、「ヨコの質問」で全体像をあぶり出す

【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね
ちょーちょーちょーいい感じBLOG
いまやれることをやる。 

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