2011/09/20

「陽転」の秘訣は...

和田裕美 「陽転」コミュニケーション
和田裕美 「陽転」コミュニケーション
  • 発売日: 2010/10/01

『「陽転」コミュニケーション』和田裕美⑤
[11/167]
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K-amazon ★★★★☆

ビジネス誌に連載されていたものの「総集編」。当然ビジネスパーソン向け、ですが、書き下ろしの本と同様に、「わかりやすく読みやすく」スタイルは変わっていません。タイトルにあるような「陽転」は、つまり、目の前で起こったあらゆる出来事の中から「よかった」を探し出す法。たとえそれが「嫌な」出来事であっても、そこから「よかった」「わくわく」を見つけていく...前向きですねー。さすがです。
過去に実際の「営業」のフィールドに立っていた方であり、そして若くして「管理職」の立場も経験され(苦労もされ)た方であるので、より「現実感」があります。出来高営業をこなし、その後も活躍されている様子を見るに、「人が好き」という点があるのかなあ、って思います。著者でも「読む人」を相手に語りかけている感じが伝わってくるんですよね。これくらいの「トップレベル」であれば、「上から」という視点が(隠そうと思っても) 見えちゃうものかと思うんだけど、和田さんに関しては、それがない。
本書でも繰り返し、「自分は人見知り」と書かれていますが(それが本当かどうか、本当であっても「人見知りレベル」が一般とは違うんではないか)、そんな方が、著作はもとより、講演やラジオまでやっているとは...陽転思考、恐るべしです。
(勝手に)思うに、和田さんには、ビジネスでのテクニック的なもの、というよりは、「相手の声を聞くことができる」才能をお持ちなのではないだろうか、と感じます。こうきたらこう対応する、といった、セオリーやテンプレート的なものではなく、相手(お客様だけではなく、ビジネス関係も含め)の話を一旦受け入れる、といった能力。これって偉くなればなるほど薄れていくようなイメージだけれども、もう5冊めの本を読んでも、そんなことはまったく感じないんだよね。これまでのキャリアが異なるけれど、同年代として、んとに尊敬できるなあ、というのはまさしくこの点です。自分は「偉く」はないけれども、「型」といったらかっこつけすぎですが、なんとなく柔軟性がなくなってきているような自覚が...反省ですね。
悔しい思い(外的要因も内的要因も)、立ち直れない苦悩、それらを乗り越えてきた「強さ」を感じます。これを乗り越えてこられたのも、陽転思考であり、柔軟性なんだろうなあ、って思います。本書では、多少ですが、和田さんのプライベートも垣間見えました。「戦略」かは不明ですが、あまり、ひとりの女性としての素顔は見えなかった(見せなかった)イメージが強いのですが、コダシでもそういうのが見えると、ちょっと「近づいた」感じがします。
落ち込んだ時、というよりも、上昇気流に乗りかかったときに読んだ方がいいかも。軽快な文調ゆえ、あまりに「底」にあるときは、遠い感じがするかもしれませんね。元気づけられるには変わりはありませんけれどね。
和田さんのセミナー、行ってみたいなあ。


【ことば】...お客さんが私の知らないところで「和田ファミリー」という名前の会を作ってくれていました...私が担当した人たちが自主的に参加する集まりでした。

営業として、目が会社を向いていたら、けしてできなかった「会」ですね。営業的な「数字」が無意味とは言いませんが、周りがこういう活動を起こしてくれる和田さんは、普段から「お客さん」に目が向いている、行動すべてがそれに基づいている、それの証明なのでしょう。うらやましい!

和田裕美 「陽転」コミュニケーション


【書評家のご意見】
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