2011/09/27

「聞き方」の本なら、これ。


『<聞き上手>の法則』澤村直樹
[14/170]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

傾聴講座を開催している臨床心理カウンセラー。それゆえ、なのか非常に読みやすい本です。そもそも、「聞き方」の重要性は高いと思われるものの、これを活字にして伝えるのは結構大変なのではないかと考える。本書は事例を多数あげて、「このケースならどうすれば」といった手法で説明がなされるが、正直ピンとくるもの、こないものがある。「聞く」と「話す」はつながっているけれども、「読む」はちょっと遠いようなイメージがある。そのような「思いこみ」を持って読み始めるが、そこは「臨床心理士」、展開のスピード、説明、長さ、構成も心地よい。これを見る限り、「書く」「読む」というのも、そう遠くないことなのかも...
数々の事例、手法、テクニックも含めて紹介されているが、本質は、
・相手(話し手)が(その場の)主役であるから、それを崩さない
・話し手の言葉よりも「気持ち」に耳を傾ける
・まずは話し手の全てを受け入れる
といったところ。つまりは真剣に真正面に受け入れる、ということが原則である、ということ。現実的には相手の「世界」を受け入れる際に、こちら側(聞き手)の「世界」を一旦シャットダウンする必要もあり、人間関係ってそんなに単純ではないかもしれない。でも「話し手」がどんな気持ちでどんな言葉で、敢えて自分に話をしてくる、そんな相手の環境を慮ることが重要だと思う。これは「聞く」ということだけではなくて、すべての人間関係や、社会で生きていくために必要なことだろうと思う。再三指摘がありましたが、話しているうちに(聞いているうちに)出てきてしまう「(聞き手の)有能感」の露出、これが会話を遮るもっともNGなことだと改めて知らされる。つまり、「それ知ってる」とか「(話を十分聞かないうちに)自分はこうしたから、そうすればいいんじゃ」といったアドバイスとか。前提である「相手を受け入れる」気持ちが揺らぐと、その会話の中でさえ、「自分の方が...」といった有能感がでてきてしまうんだろう。普通に考えて、「話し手」はたまったもんじゃないよね。
価値観はそれぞれあれど、それを前面に出し、それ以外は正ではない、というスタンスだと何も発展しませんわね。「聞く」ことで自分にもプラスになる面があるかもしれない。違う価値観を受け入れるのは多少意識的にする必要があるかもしれないけれども、少なくとも一旦「受け入れ」ることをしない限りは、その後につながらない、これは「正」しいと思う。
さて、自分は「聞く」ことができているのだろうか。現実社会では、「聞き流す」ことが有意であるケースもあるんだけど、その識別ができているんだろうか。意識してみたい。著者の講座にも興味津津であったりする。

【ことば】会話には、技術や考え方以上に、その場の空気感のようなものがとても重要です。

テクニック(だけ)ではない、ってことですよね。うん、わかる。テクニックは見抜かれます。安心感を持って話してもらう、信頼を得る、そんな本質にはテクニックは不要です。「空気を読む」というのを肯定的、発展的にとらえる必要があります(KYとかそんな次元ではなく)。大切なのは、気持ち、ですね。

“聞き上手”の法則―人間関係を良くする15のコツ (生活人新書)

 【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね

風使いの部屋
15分早く帰れる!オフィス仕事術


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 「聞き上手、始めませんか」 キャッチーなコピーですねー

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