2010/04/22

レビュー評価が高すぎでは?


『あなたの「人格」以上は売れない』黒木安馬
[12/61]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

「接客のプロ」-JAL国際線チーフパーサーであった著者が、例えばファーストクラスのお客さまに対して、またはCA(スッチー)に対しての教育の場で、どのような「接客の心得」を実施し、浸透させていったのか...という話。(おそらく)実際にあったエピソードを、現場であったように「会話・対話」形式で紹介している。
ある意味、「現場」が近くて、現実感がある。著者の「知識」も相当なものだと感じる。お客さまに対する姿勢は「すべてYES」であり、Noを口にしてはいけない、というスタンスをとる。ある意味「何いってるんだ、こいつは」という理不尽なことに対しても、「相手を思ってウソをつく」「百を知ってそのそぶりをみせず、相手を立てる」という対応、これが接客の極意なのかもしれない。いいことばかり、概念的なことばかり書いてあるような「接客マニュアル」よりはずーっといい。
けども...このような接客本に評価が集まる、ってことは、あらゆる接客業において「優れている」と見える人がこーゆー気持ち、つまり丁寧に接してくれているけれども、ハラではどう思っているかしれたもんじゃない、っていう勘ぐりにもつながってしまった。それは自分がひねくれているのかもしれないけれど、(私はしらないけれども)サービスという面で素晴らしい!といわれている国際線チーフパーサーが、実は「田舎の山売っぱらってファーストクラスに乗っている田舎もんが何を言ってんだい」って思っている、ということがなんとなく見えてしまい少し意気消沈ではある。これが現実なんだろうけれども知らなければ知らないでよかったことだろうと思う。サービスを提供する側は、個人に戻ればサービスを受ける側である、という視点があまりないような...(敢えて、なんだろうけども)
ひとつ読めたのは、「従業員満足」と「引き寄せの法則」。お客さまに楽しんでもらう、快適に過ごしてもらうためには接客「する側」が前向きで楽しく仕事をしなければならない、ということ。この点は最近読むどの本にも出てくる。これが今の自分のキーワードだと確信できる。また著者はその言葉を使っていないけれども「引き寄せの法則」、つまり、自分がそう思っていればそうなれる。ネガティブなイメージはネガティブな世界へ導かれる、これも最近耳に入ってくる。宇宙だとか法則だとか、100%信じているわけではないけれども、ポジティブイメージをもつことは(結果「引き寄せ」られるかどうかは別としても)マイナス要素はまったくないからね。気持ちはいつもそう思っていたいと思う。

世の中的には、JALの破綻というニュースの後なので、「だからJALのサービスは素晴らしい!」と主張されることがなんだか空々しい感じも。これはこの本が書かれたときとは色々な面で環境が違うのだろうけどね。あと、当然に「本」用に会話・対話の内容が書かれていると思うのだけれど、ここに書かれているお客さま或いはCAとの会話が仮にこのまま、だったら、なんだか薀蓄ばっかり、自分がしゃべってばっかりの人、という感じも。「聞く」ということが会話では一番大切、というニュアンスはなかった。
ただ、よくも悪くも、最近読んだ本で最も「集中」できた本であることは間違いない。引き込まれた...そんな感じ。



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