2010/04/08

人に薦められる良書!


『佐藤可士和の超整理術』佐藤可士和
[5/54]Library
Amazon ★★★
K-amazon ★★★★

以前から気になっていた本。けど「時間系」のハウツー本と同じくらい「整理系」のハウツーがキライで、且つ著者が「アートディレクター」という肩書き故の(自分との)距離感も感じて躊躇っていた。
たまたま著者の名前が会社同僚の口から出たことがきっかけで読んでみようと思い立ち...よかったです!仕事は自分とは無縁の世界で、書名は「整理術」であっても、今の仕事のヒントに充分になりうる。ここで「整理」する対象は、実際のブツに限らず、「情報の整理」そして「思考の整理」にまで及んでいる。
「思考の整理」。これって今の仕事上の課題に重なる部分が多い。どうやって今の閉塞感を打破していくのか。どうしたら「変化」を起こせるのか。ツールではなくてアイデア。この概念まではたどり着いたんだけど、そこから先の具体策に落とし込めない。そんなもどかしさでいっぱいの「今」、まさにうってつけの内容。もちろんそのままスライドして今日から使えるものではないけれども、そこからは自分次第。必ずヒントになりうる、と思い込んでいる。
著者が何度も説いているのは「視点」というキーワード。
・マイナスのイメージを、「視点」を逆から見ることによってプラスに変える(「ビールの廉価版」という発泡酒のイメージを変える等)
・1歩「ひいて」俯瞰することの重要性
・「整理」することで本質を見抜く視点。ビジョンを見出すための「整理」
デザイナーという範疇で語られた「整理術」ではない。逆にデザイナーとして求められる「視点の高さ」を継続して持ち続けるために必要な「整理術」について書かれている。これはデザインに限らない。自分の今の仕事も含め、全てに応用できる「考え方」。
そしてなによりも、その「視点」を持つためには「トレーニング」が必要であると書かれている。これつまり本質だったりするんだよね。本を読んで「術」が手に入ることはない。そこから自分なりの方法で探していくきっかけにするかしないか。「術」系の本の読み方はそれであるべきだと思う。
先鋭のアートディレクターであり、取り上げている事例も、「え?あれってこの人なんだ!」というものばかり。そういうのが単なる「自慢」には感じられない。考えている、考え抜いているなあ、という尊敬の念に近い。本からも「一流」を感じることができた。
さて自分に置き換える。もっともっと真剣に深く「考える」ことをしないといけない。考え抜かないアイデアは「あたる」確率は少ないし、「あたり」であっても、他のひとも簡単に出せるものである可能性が高い。他の人が簡単には出せないアイデアを具現化する。ここに自分の価値が出てくる。はず。

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