『サービスの天才たち』野地秩嘉
[11/27]BookOff
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K-amazon ★★★★
バーバーショップの接客の極意、マッサージ師、温泉カメラマン、タクシーの運転手...「職業」として特異なところはないし、その分野で特別なテクニックをもっているわけだはない。その人の内側のどこかに「プロ」と呼ばれる所以がある...そんな「天才」を紹介している本。各「天才」について、著者がかなり時間をかけて取材しているので、その天才の細部まで「感じる」ことができる。
タクシー運転手は、運転技術が突出しているわけではない、マッサージ師はほかの人ができないテクニックをもって有名なわけではない。そして彼らはマスコミに取り上げられて有名になった人ではない。自分が属している分野で、しかもそれで有名になることが目的ではなく、黙々と仕事に打ち込むことで培ったスキル。これをもって「プロフェッショナル」といえるサービスを提供し続けている...
かっこいい!
これがホンモノの「プロ」だ。いいなあ。かっこいいなあ。あこがれるなあ。
自分がそうなりたいっ。という以前に、そういう方々と話をしてみたい。会いたい、見たい、という気持ちが先にたつ。もし自分がそのステージに進んで聞けるレベルになるとしたら、間違いなくその前提として、そういう「空気」を感じる、その空気の中ですごす時間を持たなくてはならない、と思う。
例えばそれは「対人」だけではないかもしれない。食事や持ち物、身につけるもの。少しでも自分を高める意識をすべきかもしれない。
とにかく彼らは「プロ」であり、その書き方(本書中での紹介)の影響も大きいけれど、マスコミで広く紹介されるような「勢い」ではなく、「人知れず評判になっている達人」的なところがまたその「かっこよさ」を増幅される。いわば「人間くささ」が残っているところになんとなくの「近さ」をまだ感じることができる。
著者の本は初めてだけど、彼ら「天才」たちを「敬う」意識が感じられて、そこが文面に表れている。読んでいて気持ちがいいのはそこなんだろうね。
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