『実践的リーダーシップの鍛え方』堀紘一
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堀紘一さんって、「朝まで生テレビ」の印象が強い。っていうかそれしかなくて、ボストンコンサルティングの社長だったことなど、その経歴はまったく知らんかった。で私の中ではある種「有名人」であり、あんまり著作のイメージさえなかったんだけど、たまたま図書館で読みたい本が見つからなかったときに、「名前を知っている」というポイント(だけ)で選んでみた。
大方「有名人」の本はハマらないことが多いんだけど、この本は「意外に」面白かった。若干著者ご自身の「器の大きさのアピール」が見え隠れしなくはないんだけど、簡易な(って言葉が適切かは不明)リーダーシップ系の本よりは、硬派で男っぽくて、それなりに読めた。
アリストテレスの説く民主主義哲学が究極の考え方だ、といっておきながら、私の思考の元は聖徳太子のそれである、と書いてあったり、今の若者は長期的な視点を持つことが出来ずにすぐあきらめて転職する、と苦言を呈しながら、ご本人も最初の新聞社を数年で「合わないから辞めた」と言ってみたり、ってところはあるにせよ、今の、そしてこれからの日本社会を見据えたうえで、本当の意味での「実力主義」、即ち会社に利益をもたらしたものが、そのもたらした利益に応じて報酬を得る、という主義をもっていたり、小泉政権によってもたらされた(?)「格差」を肯定する姿勢を見せたり、このあたりはすごく共感した。実際に社会で「戦っている」立場からすると、まさにこれであり、戦わない弱者を保護するような社会は必ずしも正解ではない、と個人的にも思う。もちろん全く救済すべきではない、というわけではないけど。でもこういう賛否両論ある点について、ズバっと自分の意見を主張する姿勢は、正直なかなかお目にかかれないわけで、それは結構スッキリしたり。
本当の意味での「リーダー」たるにはどうすればよいのか。そのノウハウを、っていうスタンスで書かれている、というフレコミではあるが、メインは精神論。故、「明日から実践してみよう」的なヒントはないけれども、意識は強くなれる。読んで正解。
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