2010/01/17

後半失速ぎみに...


『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあってもたりませんよ』川上徹也②
[10]Amazon
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

前に読んだ『仕事はストーリーで動かそう』が結構響いて、今年の仕事上のキーワードは「ストーリー」である、と決めたほどで、さらにその気持ちを高められるのでは、という気持ちで読み始めた。前半は期待感をさらに高めるものであり、事例としてあげられている各社の「ストーリー」も、かなり共感、というか感嘆する場面が多かった。著者が「敢えて有名ではない商品、店を挙げてみる。そのほうが「ストーリー」の力がわかりやすい」という狙いはあたっているかと思う。
が、その「感嘆」が大きすぎるせいか、その事例紹介が終わって後の、著者の「本題」がかなり薄れてしまった。「ナンバーワンよりもオンリーワンを目指せ」とか、結構いいことを言っていると思う。けれども、事例に紹介された店舗の取り組みの方が、伝わってくるものが大きいので、後半、さらには終盤の「まとめ」場面の印象が非常に薄い、「尻すぼみ」になってしまったような...
「ストーリー」を標榜している本にしては、それ自体の「ストーリー性」が弱いような気がした。自分にはストーリーを描くスキルがないので、えらそうな言い方になってしまうが、例えば著者のかかわった案件での失敗事例とか、そういうのがあったほうが伝わる、ってこともあるんじゃないだろうか。そんな余計な深読みも、もしかしたら著者の「戦略」かもしれないけど。
まあ、そんなこんないろいろと考えるきっかけにはなった内容。読みやすいけど、もうひとつ「深い」といいなあ、って思った。これは以前同著者の本を読んだ時点からの私自身の意識の変化(進化、とはまだいえない)かもしれないけれども。

Amazonで見る


0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter