2010/01/06

徹底することの大切さ。でも若干の違和感...


『デッドライン仕事術』吉越浩一郎
[4]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

以前社内の誰かが紹介していた。そして書店、BookOffでもよく目にする。基本的に「定時で終わらせる」ハウツー本はキライなのだが、話題の本となれば一度は読まなくては。
タイトルにもあるように、
全ての仕事に「デッドライン」を定める。これは非常によい「ツール」だと思う。著者の主張する「定時に終わらせる、と決めたらそれを厳守する」という意味を超えて、だらだら先送り、という非生産的なフローを避けるにはこれが一番であることは疑いようもない。と、今の自分の周りを改めてみてみるとこれができていない。本書の前半(序盤、かな)を読んでいて、改めてそれを認識して、意識的に徹底してみようと、実行してみようという気になった。さっそくその「餌食」になったのは、たまたま新年の挨拶に来社いただいた広告代理店の営業担当だったけど。これは「基本」なんだろうね。
けれど...「残業禁止」は、だらだらと残業する「体質」を改め、決められた時間内で効率をあげることが最重要であり、これができていない企業、人間がほとんどだという主張。時間内は徹底して集中、時間外は自分の為に時間を使う、つまり本質的な意味での「ワークライフバランス」を実現する。これはこれで間違ってはいない。ただ、時間内で最大限集中して仕事をして、それで定時で帰ることが本当に正しいのかどうか。そもそも「定時」って、会社、法律が定めた時間の「枠」であって、それに縛られる必然性はいったいどこにあるのか、という疑問がある。おそらくは「時間内集中」にプラスして何ができるか、何をしたいるかによって、そのアウトプットが変わって来るんではないかと考える。自分も「残業ありき」ではもちろん考えてはいない。ただ「定時」という枠組みをそもそも前提にすることがはたしてどうなのか、という疑問。
また、本書では社員には「残業禁止」(強制的に「消灯」までしたそうで...)しているにもかかわらず、そしてその「残業禁止」のメリットをさんざん説いているのだが、社長ご本人は「持ち帰り」「休日」にも仕事をされていたそうで...なんだこれ?
若干の違和感は、そこにある。そして、この本を読んでいる限りは、著者のマネジメント手法は必ずしもイマの現場の実態に即していない、という感じを受ける。「現場に近いことが重要」と説いているが、本当に「近く」にいたの?いた「気がしていた」だけでないの?という感じが...最近感じる「現場感覚」がここからは読み取れなかった。
「デッドライン設定」は疑う余地なく実施すべきこととして、もうひとつ。この前に読んだ本と同じ内容のこともあった。曰く「考えて行動する」こと。やっぱりこれがキーワード。

読んだ本の評価のひとつに、「再読してみたいかどうか」というのがあるとすれば、この本は「1回で充分」という印象。なんとなくBookOffに著者の本がいっぱい置いてある理由がわかった気がする。


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