2011/10/28

コンセプトは○です。基本は「人」。

スロー・ビジネス宣言! (日経ビジネス人文庫)
スロー・ビジネス宣言! (日経ビジネス人文庫)
  • 発売日: 2005/01

『スロービジネス宣言!』阪本啓一
[14/187]Bookstore
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

「スロー」といっても、著者が意図しているのは、「ゆるい」「のろい」ということではなく、「ほんもの」とう意味合いです。また、突発的な花火ではなくて、息の長いビジネスを、という意味でもあります。
この単語の響きがいいかどうかはわかりませんが、「目先」だけではなくて、「先を見て」という意味として、解釈しました。一時的なヒットも大事だし、当面の数字も大事ですが、永く続いて行くモデルを作り上げてこそ「ビジネス」である、という著者の主張は本質的だと感じます。そのために必要なものは、個人の資質、商品の力、企業の考え方、この3つをあげています。こう書いてみると「当たり前」のように感じますが、短期的な直接的な結果を求めるあまり、「白か黒か」を明確に出せるようなこと、すなわち永続性がそもそもないようなビジネスをしている場面は、実は少なくありません。よくあるビジネス本の主張である「見える化」「数値化」というものを近視眼的にとらえるからでしょうか。直接的に数字に結びつかないものは「悪」とされることもあります。これをしたら「間接的に」プラスになる、ということが遂行しにくいこともあります。
短期を軸に考えると、今月どういう結果を出すか、今週は、今日は...という方向で物事を進めていくと、そのスパイラルから抜け出せなくなります。一年中、さらには一生おんなじことの繰り返し、という状況になってしまうかもしれません。そこに個人のレベルアップは生まれるのか、疑問ですよね。こんなサイクルでは、企業という枠にとらわれた「機械」になってしまいそうです。
本書は、そのような(結構どこにでもあるような)ビジネススタイルが、スロー=ほんものではない、という内容です。時代の流れは既に、そのようなスタイルが対応できないものに変わりつつあります。いや、もう変わっているのかもしれません。外的要因、あるいは内的な努力によってであっても、「ヒット」が出ると、その一時期の「よかった」空気にならされてしまい、そこから脱することができず、もはやその「ヒット」が通用しなくなっても、そのマインドが抜けきらずに「落伍」してしまうケース、結構ありますよねー。そうはなりたくない、すくなくとも、そのような環境に置かれていたとしても、自分は「スロー」スタイルを貫くべき。自分が「スロー」であれば、それを活かして貢献する場は、あるはずですからね。フィールドに合わせるのではなくて、(「ほんもの」である)自分に合わせた場を選ぶ、これでいかないと、これからは、ね。

【ことば】...コンサルタントが著作で「ビジネスとは...『キャッシュを生み出すマシン』である」と言っているのを読み、じんましんができるくらい違和感を持った...生活者・顧客の生活の質をあげること、ではないか。

ビジネスの本質だと考えます。何を提供して対価を得るのか。その提供するものは、それによって「質」をあげるものでなければならないんです。これってメチャ大事なポイントです。生活を豊かにする、という大枠ではない。お金を儲けて豊かにする、ではなくて、「質」をあげること、これだね。

スロー・ビジネス宣言! (日経ビジネス人文庫)

【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね


partsの工房日記
「30にして立つ」

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