2011/10/10

かっこいい「生き方」がここにある。

志高く 孫正義正伝 完全版 (実業之日本社文庫)
志高く 孫正義正伝 完全版 (実業之日本社文庫)
  • 発売日: 2010/12/04

『志高く 孫正義正伝』井上篤夫
[5/178]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★★

携帯電話事業参入、Yahoo!Japan、プロ野球...ここ数年で「ソフトバンク」って名前が急激に露出が増えて、孫さんの露出もそれに伴って増えている。増えているけれども、そもそもソフトバンクって?孫さんってどういう人なんだろうか?ってあんまり知りませんでした。同じように「急激に露出した」ホリエモンとの違いってなんだろう...本書を読む限りでは、「インターネットによる情報革命」という展開を軸としている点では変わりありません。孫さんが、事業展開を「革命のための社会インフラ」を整備するため、としているのと、もう一方が「金もうけ」によるものとの違いでしょうかね。ただ、孫さんにも「金もうけ」の意図があるだろうし、堀江さんにも「インフラ=社会貢献」の側面はあったかと思います。あとはもう、彼らが持っている「人としての」見られ方、という点になるのかもしれません(「情報」「インターネット」とは対極にある要素かもしれませんけれど)。
一気に名をあげたソフトバンク。その中心人物・孫正義氏の、高校中退からアメリカ留学、そこで目覚めたビジネス感覚、そして従来のビジネス常識を打ち破るスピード感を持った拡大展開...多くは孫さんの「ヒト」の部分にスポットが当てられています。ビジネスでの展開(たとえば買収や撤退)については淡々と事実を記載。それゆえに、歴史上の人物を書いた「伝記」のような感覚になります。400ページに迫る「分厚さ」ですが、その人物が魅力的であることが伝わってくるので、短時間で読めちゃうほど。
そんな文章的な展開も手伝いますが、本質は、孫正義氏に備わった魅力、なのだと思います。事業を実行すること、「情報革命」を起こす側の一員となることにまったく迷いがないこと、成功したと思われる今でも先を見続けていること。特に「インターネットというインフラ」という点については軸がぶれていません。考えてみれば、携帯市場だって、NTT、KDDIという「巨大企業」と真っ向勝負をかけて「純増数トップ」という位置を獲得しています。数年前に数人で始めた会社が、という事実を改めて考えると、自分にもなんかできるんじゃないか、っていう気持ちが湧いてくる。孫さんは「才能」はもちろんだけど、「努力」と「信念」で進んでいる方なので、余計にそういう気もちをもらえます。
ご本人ではなくて、親交のある作家の方がフラットに書いているスタイルも、孫さんの魅力を伝えています。ソフトバンクの名前を目にしない日がない、そんな今、読んでみるとビビッドに伝わってくるものがある。

【ことば】たとえばリレー競技で、ビリでバトンを受け取ったときこそ「わくわくする」と孫は言う...必ず追い抜く...ついには一番になる。

孫さんはけして、「見せ場」としてこういう場面を想定しているのではありません。携帯電話事業がまさにこれに当てはまりますが、「相手が二十年かけてやってきている」ことを尊重しつつも、「ならば自分たちは十年で成し遂げなければ」と、「ビリで受け取る」ことを刺激にして、自分たちを奮い起こす原点に置きます。これが原動力であり、この気持ちを持ち続けることが、成長、拡大につながる。

志高く 孫正義正伝 完全版 (実業之日本社文庫)

【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね


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