2011/10/07

正直、深く考えたことのない分野でした


『憲法力』大塚英司
[3/176]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★☆☆☆

日本国憲法...政治家センセたちが「改憲」「護憲」といっているのを(たまに)耳にする程度で、個人レベルでは学生時代以来目にしたこともないフィールドである。第九条の解釈をめぐっての議論については、(不謹慎ですが)どうもフルメカシサを感じつつ...(といってなんらかの「考え」を持っているわけではない。「平和ボケ」ですね)
本書には、どちえらかといえば副題の「いかに政治のことばを取り戻すか」というフレーズに惹かれた。「たかが言葉、されど」というのは(政治に限らず)感じるところがあるので。それと改めて憲法(解釈)についての考えを見てみてもいいかなって。あまりにも無関心であったので。
著者は「護憲」の立場ではあるけれども、改憲を全面否定はしていない。ただ、「悪文だから」「押し付けだから」という理由の元に改憲することに疑問を持っている、という立場だ。護憲、というと「カタイ」イメージがあるけれども、結構フラットな視点である。本書の内容は「ことば」を副題に添えているだけあって、「ことば」を駆使した(?)難解な文書が多いです。序盤の柳田国男さんを引き合いにだされている箇所は、正直何を言っているのか、言おうとしているのか理解できずに過ぎてしまいました。まあ、これは自分の読解力不足として...終始一貫しているのは、改憲にしろ護憲にしろ、まずは憲法について考えてみましょう、という点。「押し付け」だから変えよう、といっているのに、改憲の草案を官僚に任せてしまったら、「押し付け」と変わらないじゃん、という明快な論理です。じゃあ、自分で書いてみましょうか、っていう活動をされているようでして、中学生高校生レベルから、それを実践しているようです。その内容云々よりは、やはり「考えてみること」の重要性が大事なのでしょう。「草案を書いてみる」なんていう発想は、まったく持っていませんでした。本書を読んで「じゃあ」という「気持ちにもなっていませんけれどね。
改憲ありき、ではなくてその前に、今の憲法の精神に則った行動をしていますか?憲法を理解して(しよとして)それを解釈したうえでの「改憲」論なんですか?っていうのテーマは明快です。突き刺さります。それは明快なんだけど、そこからの展開が妙にわかりにくくなってしまうのが難点かな...きっと極めてアタマのよい方で、コトバを使いこなすことができる方なんでしょうけれども、それができない自分レベルにとっては、ハードルが高い、それが印象に残ります。肝心の「憲法を考えよう」よりもそちらのほうが....

【ことば】...今の憲法を変える前に、もう少しこの憲法を徹底して生きた方がいい、とぼくは考える...

ここでのテーマはもちろん「憲法」ですが、この本質的な考え方はすべてに通じます。ヒトは「変わる」ことは消極的ですが「変える」ことには魅力を感じる点もある。何がよいか悪いか、という点とは離れたところで「リセット」ボタンを押すのは「楽」だから、なのかもしれません。その前にすることもあるし、そして「変える」という結論が出たのならば、早い方がいい。すべてにおいてそうですよね。

憲法力―いかに政治のことばを取り戻すか (角川oneテーマ21)

 【書評家のご意見】
本書の書評、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね


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