2011/07/24

大事なポイントは2つです。そこだけで変われます。

『学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール』木暮太一
[15/137]bk1
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

不特定多数に送る「広告」だけではなく、身近な人への「説明」も含めて、「伝える」=「伝わる」ことの困難さ、って経験を積めば積むほど感じることが多くなる。ともすればその要因を、「年代差」に上げがちで、要は「相手=聞く側」の問題と捉えてしまうことも少なくない。あとは一部の範囲だけで通用する「専門用語」を当たり前のように使うとか...
本書は「分かりやすく説明する」ことの大原則として2つの柱をあげています。
・相手に理解してもらいたいと思う意識
・相手に合わせて表現を変えること
そう。それだけ、なんですよね。後はこの2つの前提の上でのテクニック、TIPになります。そもそも「伝わらない」のは、この2つの時点で不備があるが故、ということが少なくない、いや多いのでしょう(少なくない=「二重否定」は使わないようにする。紹介さえているテクニックのひとつです)。これって広告だろうが、社内だろうが、友人だろうが、家族だろうが、おんなじことだよなあ。相手を知る、相手がどのようなことを求めているか知る。そのためには相手の「懐に入る」=相手の側に立つ、ということが大事。精神的にも物理的にも、です。ここの部分がすごく大事だと思います。本書ではそれほど「熱く」は触れられていませんが、相手が存在する空気を体感すること、これが大事なのではないかと...
説明のために使う事例や、比喩、表現、構成などのテクニックも、もちろんそれはそれでノウハウはあるのでしょうが、大原則に則って考えればいい、ということですね。つまり理解してもらいたい「相手」が、理解する上で必要であるような事例、図表を使う。相手が時間のない環境だったら、簡潔な構成にする、すべては説明=メッセージを伝えるべき「相手」があって、のことなんですよね。
考えてみれば当然の話です。説明する、説明したい、というのは「相手」があって成り立つことであって、こちらの都合を押し付けていては伝わらない、というもの「逆の立場」を考えてみればすぐにわかること。でも忘れてしまうことがあるんですね。人間って、「ゆるい」もんですねー。やはりどこかで「意識」を更新する習慣を持たないと、っていうことですね。
 「分かりやすい」を表題にしているだけあって、本書の説明そのものも「わかりやすい」内容でした。読み終えてしまえば、「2つの原則」を意識、表現するかどうか、にかかってくることがわかるのですが、やはりこれは本書の「説明」を聞いた(読んだ)からこそ「分かった」ことですね。テクニックも紹介されていますが、それは「おまけ」くらいに考えて読んだ方がよいです(おまけにしては露出度がかなり高いですけれども)。

【ことば】説明をしていると、聞き手の疑問や反論を先回りしたり、頭に浮かんでくることをそのまま話したり文章にしてしまうことがあります。

うわっ、自分のことを言われています。確かにそれで分かりにくく(伝えたいテーマが何であるのか)なってしまうんだろう...相手のレスポンスを考えて、って「相手のことを考えて」いるようで「自分のこと」を考えてるよねー...ズシンときました。

学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール (光文社新書)

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