2011/07/01

歴史観を正しく持つのも大事、だけど...

日本人の誇り (文春新書)
日本人の誇り (文春新書)
  • 発売日: 2011/04/19
『日本人の誇り』藤原正彦②
[1/123]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

大震災、原発事故という半年前には想像もしていなかった事態に立ち、私たちは何をしていけばいいのか、何ができるのか。一庶民である自分には直接的に何かを「変える」ことはできないけれども、偉そうに言うことをお許しいただければ、「今こそ、日本人の底力を」というマインドを持つことが第一だと思う。戦争をしらない世代だから、かもしれないけれど、アジア諸国の日本に対する態度(戦争に絡めた主張)と、それに対応する我が国の姿勢、これに違和感を感じているのは確か。「もう済んだ事じゃん」とは言えないまでも、あまりに「引きずる」のもどうかと思う。日本が受けた原爆投下に関して、アメリカに対する感情とあまりに異なるのに違和感を感じているのかもしれない。
震災後は、「日本、日本人のいいところ」を意識的にインプットしたくて、それと思われる内容の本を読んでいる。本書もそのひとつ。しかも震災後に書かれた本だし。内容に関しては、自分が感じている「隙間」を埋めてくれるものもあり、今は無関係かなあ、って思うものもあり。数学者である著者だが、ベストセラー『国家の品格』を書かれているように、こちら方面にもヒトコトある、そんな人です。本書は、主には第二次世界大戦を軸として、その経緯の中で、「ホントに日本だけが悪いのか」という点を説く。これにかなりのページ数を費やす。主題としては、この歴史観、世界観が日本人に植えつけられていることでアジア諸国に対して強気に出られない「体質」になってしまっている、ひいてはそれゆえに「下を向く」傾向に陥ってしまっている。少子化問題も、学力低下も、すべてこの根源を見直さない限り、対症療法的な「法制度」レベルでは変わんないよ...という「広範囲」です。
著者独特の文調で、(当戦争における)中国、アメリカの謀略、それに対する強烈な批判、これらによって成り立っています。敢えて「強い」批判にしているのは、それによって「日本は、自分たちが考えているほど(教えられてきたほど)悪者ではないんだ」ということを印象づけるため、かもしれない。
戦争に対する記述は、正直なところ、これまであまり考えることすらなかった点で、偶然とはいえ、その知識が得られたのはプラス。一番欲しかった「日本人の誇り」を感じること、については、戦争とそれによる意識統制によって曲げられたものをただすことによって...という観点よりは、シンプルに「文化」とか「そもそも持っている意識」とか、そういう観念的なものを期待していたので、プラスとはならず。
最後の最後、欧米から「押し付けられた」個人主義の否定、「和」を尊ぶ日本古来の主義主張の大切さを説かれている。これには同意です。これを「元に戻す」、あるいは(日本人の得意ワザでもある)融合して日本固有のものにする、ことが大事かもしれない。それに戦争の「正しい」知識が必要なのはひとつの手法だよね。多分...天災、事故が起こっている今、なにか「変わる」きっかけになるかもしれない。なんかひとつにまとまる気がします。だって、もともと「和」を持っている日本人なのだから。


【ことば】...我が国は、真に誇るべき文明を育んだ国でした。それに絶大な誇りを持ってよいのです。

そう。どこにも劣ることのない、自信を持てる日本。自国を好きであること。これは大事なことだよね。サッカーの時だけじゃない、応援するし、前に進もう。「行き詰まり」とか「閉そく感」とか、使う言葉も選んだほうがいいよね。

日本人の誇り (文春新書)

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