- 変われない組織は亡びる(祥伝社新書206)
- 発売日: 2010/07/02
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K-amazon ★★★☆☆
1年前、参議院選で与党惨敗の前、すなわち、「政権交代」がまだ期待感を伴っていた時期に出た本。スポーツライターと「野党」の革命児の対談で成り立っています。この時期から1年経って、参院選を下経て、そして今の震災後復旧にむけての大事な時期での「政局」のごたごた。与党の役不足もそうだが、野党の「変わらない」姿が気に入らない気持ちでいっぱいの自分にとって、野党内ではあるけれども、「(中から)変えよう」と考えている河野氏の思いは伝わってくる。
自分は「無党派層」だし、政治について何か強いポリシーを持っているわけではない。けれど、あまりに国民に目が向いていない、「おじいさん」 グループであって、勉強はできるけれどアタマがけしてよくない人たち、というイライラは日々募る。もちろん「マスコミ操作」に操られている部分があり、本当に努力している方たちの活動が伝わってこない故に、「アラ」ばかり目につく、というのはあるだろう。が、議員になり、ましてや大臣になると、こうも人間、卑屈になれるのか、と思うほど、「先生」たちは勘違いをするようだ。残念だけど、あきらめの境地でもある。
以前、赤坂で小泉元首相を見かけたことがある。当時は総裁になる前、だった。彼は地下鉄に乗ってましたよ。そのころ、国土交通省大臣がラッシュアワーの様子を見て仰天していた、という報道がありましたが、そんなレベルなんだよね。距離感というか、ね。そんな時に「電車通勤」していた、将来の首相に期待が持てましたね。こんなことで、ですけれど。会社員だったら、どんなに偉くても、自分が消費者であることを忘れないと思う。忘れては会社をやっていけないから。でも政治家は市民ではないんですよね。「先生」と言われ、選挙当選が目的になって...あー悲しい。
河野さんは、元議長の二代目、という以外、そしてテレビでたまに見かける以外に、特に印象はありませんでした。外務委員長時代とか、官僚とのやりとりに「正論」をぶつけ続けてきた、というのを初めて知りました。結果変わっていない、あるいは元に戻った、というのであれば志半ばでしょうけれども、「おじいさん」世界の中で、正しい目を持って、それを言える人、って必要ですね。こういう人が「若い」(っても40代半ばだけど)っていうだけで、「慣習」に埋没してしまっては何も変わらない。そしてそんなものは長くないでしょう。そもそも、「政党」というのが、どこか古臭いイメージがある。変えてはいけないこと、変えるべきところ、これを明確にして実行しなければ、ね。元気な会社はすでにそれに気づいて動いてますよ。政治の世界だけ、かなり遅れている。気づいてほしいなあ。
自民党にありながら、そこから何かを変えていく、という姿勢は同意できます。駄目なものは駄目。変えるところは変える。政党がどうなるべきか、ではなくて日本がどうなるべきかを考える。そのために変える、変えない、という判断をする。この「当たり前」のことが、貫かれる組織にしてほしい。今こそ、それが求められる姿だと思います。河野さんには、別に総裁にならなくてもいいから、それを貫いて実現に向けて進んでほしい。
【ことば】党内の...人たちに気をつかっていても意味がない。国民に対して気をつかうのが本来のすがたであって...
どんな組織でも「調整」は必要な部分はあります。が、国民の代表たる政治家が「内部調整」ばかりしていてどうすんの?何のために政治家をしているんですかね。お客様に目が向いていない、自分の利益ばかり追い求める企業と重なってしまいますよ。そしてそんな企業はつぶれます。お客様は、国民はバカではない。
変われない組織は亡びる(祥伝社新書206)
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