- 仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門 (ちくま新書)
- 発売日: 2009/12
[7/129]BookOff
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部下から上司、妻から夫、「聴く」ことの重要性は年齢を重ねるごとに実感する。また、逆のパターン、上司から部下、夫から妻、という流れにおいても感じることがある。
本書は特に、ビジネスにおけるコミュニケーションに事例をあげて「聴く」ことの大切さを披露。どのような態度で話を聴いているか、どのような対応をするか、「聞いてくる」質問者の意図、真意を推し量った上での適切な答え、等々、非常に「現実感」満載の内容で、自分に置き換えることができる。どこの社会でも「反論ありき」で聞くようなタイプもいる。「つっこみどころ」を探しているような人とか。あるいは、カラオケで自分の次の曲を探しているように、会議における発言の順番を気にしているような人とか...自分に当てはまるような箇所もあって、身につまされるような思いも...ちゃんと「聴いて」いても、相手が「同意」を求めているか「解決策」を求めているのか、ただ「聞いて」欲しいだけなのかの見極め、そしてその「要望」に対する「解」を持っていてそれを提供できるか。
う~ん、難しいねえ。もちろんそれには「場数」もあり、「テクニック」もあり、いろいろ必要な要素がある。だけど何となく思うのは、相手を思う気持ちだったりするんじゃないかなあ。「尋ねる(相談する)」には、その質問者なりの理由があり、その人だからこそ聞いている場合が大多数だよね。だから「適切な答え」を返そうとするよりも、その人の置かれている環境や「今」の状況、心理を慮った対応をすることが一番大事なんだろう。それには日ごろからのコミュニケーション、これなんだろうね。
その言葉の裏にあるものを推測、理解するものとして著者があげているのが、有名な「メラビアンの法則」であったりする(たびたび登場する)。ノンバーバル、つまり、ボイストーンや表情などの「言葉以外」のものがより重要だ、ということだ。故に「メール」では伝わらないことが多い、と著者は説く。もちろんその「言葉以外」は重要だよね。個人的には、「でもやっぱり言葉じゃん」と思っているので、この法則はそれほど思い入れはないのだけれど(メールだって「伝わる」ことは、もちろん、ある)、それも大事、「言葉」ももちろん大事、ということで理解です。
「聴き方」のステージを分類して紹介してくれている、且つ、それぞれの対応の考え方も明示していただいているのですが、欲を言えば、「そういう聴き方をされた際の対応=質問・相談する側」の立場での対応方法も多少示唆が欲しかったなあ。自分は「聴き」上手になれたとしても、相手は変えられないからね。実はこのあたりが現場では課題だったりするんですねー。
【ことば】...雄弁である必要はありません。シンプルで前向きな言葉を選んでください。
「シンプルで前向き」って、意外に最も大事かなあ、って思います。それこそ、「言葉」の持つパワーですよね。 今度は話す(アドバイスする)側の態度(熱さ、真剣さ)というところになりますね。人と人はやっぱり「言葉」でつながっています。
仕事耳を鍛える―「ビジネス傾聴」入門 (ちくま新書)
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