2009/08/20


[アライアンス「自分成長」戦略](87/AMAZON)

AMAZON ★★★★★
K-amazon ★★★★

会社組織にとらわれない「自分ブランド」。会社の名刺がない自分は社会でどこまで通用するのか。自分ブランドを高めるためにどのような考えをベースにもつのか...

今の時代に生きる「サラリーマン」のひとりとしては、メチャ興味のあるテーマ。そしてまた「アライアンス」という言葉の響きが個人的には結構好きだったりする。
「キャリア戦略」としてよくあるのは「最短距離で目標に到達する」パターン。まずはこれを否定。その目標を守ろうとするあまりに柔軟な気持ちを失い、他のことを切り捨ててしまう、というのが理由のひとつ。
ではどうするのか。そこで「アライアンス」という考え方。つまりは「周りの人から長期的な信頼を獲得し、その人たちの力を借りながら成長する」という「戦略的・寄り道キャリアメイク」ということ。

著者は興銀で金融のキャリアを積んだ後、ドコモで「おサイフケータイ」を発案し、その後コンサル、大学教授の道を歩むことになる。それぞれの場面で得意分野を増やしていく中で、もっとお大きな「次のステップ」に昇っていく。つまり、興銀から直接大学教授になった場合に比べても、「個人資産」の違いは明らかである、ということ。ちなみにドコモ時代の実績から「ミスターおサイフケータイ」と呼ばれるまでになったそうである(私は「ミスターおサイフケータイ」は聞いたことがないが)。

まずは自分の身の回りの人間に「認められる」くらいに自分を高めること。それには目の前にある仕事を真剣に取り組むこと。コミュニケーションや実行力、感性を磨くことも意識しながら。
しかしながらその根底にあるのは「人間力」であるという。つまり「一緒にいると心地よくなり、人を引き付け、会った人が好きになってしまう力」と定義しており、より具体的には「一緒に仕事をしたい」「何かあったときに助けてあげたくなる」と思われるような力。

うん。そうなりたい。目の前にある「数字」も大事だけど、結局はそういう「人間力」をもったヒトになりたい。そう考えてみて、自分の近くに「目標」となるヒトが存在していることに気がついた。
あー、この人の「人間力」ってすごいな
改めてそう思った。その方は仕事で知り合った人で私が(勝手に)自分のメンターである、と思っている人。その人を思い浮かべながらさらっと読み返してみると、妙にその内容に現実感をもった。
近くにそういう目標とすべき人がいることは幸せであり、この幸運を活かさない手はない。

話題を本に戻すと、書いてあることはとても納得できて、「そうあるべきだなあ」「そうなりたいなあ」と思うことだらけ、なんだけど、読み物としてはけして「読みやすい」本ではない。私には「想定される具体的な目標」があるからよいけど、そうじゃない人が読んだら頭に入ってくるんだろうか...なんて「客観的」な見方もしてみたりした。


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