2010/11/02

変えられる、変われる!

スイッチ!
スイッチ!
  • 発売日: 2010/08/06
  • 売上ランキング: 2950

『スイッチ!』チップ・ハース&ダン・ハース
[1/187]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

久々に「分厚い」本を読む。360ページといったら新書の倍じゃないか...でもね、勢いに乗ってスイスイ読めました。タイトルからも容易に推察できるけれど、「変わりたいのに(変わらなきゃいけないのに)変われない」この状態を脱するためのヒント集。実例(もちろんすべてアメリカ産)をフンダンに使っての説明。なによりも実例に登場する「変化をもたらした人物が、「すごい」人ではなく、現場レベルであることに意識が高まる。本書を通して、「変える」ための要素として、象使い(理性)と象(感情)、そして道筋(環境)をあげていて、「変化」を起こすにあたってどうそれぞれを使っていくか、という説明に終始。「象」を例示しているところは正直わかりにくかったけど(むしろ「理性」「感情」と言ってもらった方がすんなり)、変化をもたらすためには、特に周りを変化たらしめるには、象=感情が大事だということを認識。象使い=理性だけで強制してもいけないし、変わらない原因は、必ずしも個人に帰属するものではなく道筋=環境かもしれない、という気づき。
・ダメな部分を解析するのではなく、うまくいっている部分をハイライトする
・感情を芽生えさせる
・環境を変える。習慣を生み出す
読む始める時は、自分自身を「変える」ことと同時に、周りを「変える」ヒントになれば、という思いがあった。あわよくば「お客さん」を変えるためには...なんて欲望も。けれど、まずは自分、そして周り。これまでも意識はしていたし、自分なりのやり方で「変化」を起こそうと試行錯誤はしてきたけれども、本質の部分(技術でなく)が多少誤りがあったのかも...って考えてしまう。この本に書かれていた事例がそのまま当てはまるとは思わない。けれども、なんらかの「気づき」は確実に得たように思う。確信する。
カリブ海セントルシア島だけに生息するイロマジリボウシインコを絶滅の危機から救ったのは大学を卒業したばかりの若者。彼は法律をつくるわけではなく、そのインコが島の財産であり、自分たちの財産は自分たちで守る、という意識を島の住民に意識付けすることでインコを救った。変化をもたらした。規則に縛られていた経理担当者に、現場で(その経理担当者が例外を認めなかったことによって)給与の支払いを受けられずに困窮している姿を見て考えが変わった(何のための「規則」であるのかを認識した)。これらはまさに求めるべき変化であり、変化の方法である。
読み終わってタイトルを見れば、「チェンジ」ではなくて「スイッチ」であることもいいですね。つまり「変化」に対してはそれぞれ(個人、組織、社会すべて)ポテンシャルはあるはず。それを起こすきっかけであったり、動機づけであったり、つまり「スイッチ」を押すことなんだな、と。

スイッチ!

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