『ナポレオンで仕事上達』齋藤孝③
[19/205]Library
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ナポレオン、あのナポレオン。もちろん名前は知っているけれども、世界史の教科書以降、その業績を見た覚えはない。イメージとしてはイケイケドンドン、攻めの姿勢の戦士のようなものを持っており、ビジネスやその考え方に結びつけることはなかったけれど...本書を読むと(多少無理やりかもしれないけれども)彼の考え方、戦隊を率いるリーダーシップ、アイデンティティの持ち方、役に立つねえ。現代にも通じるものがありますなあ。
ビジネスにおける環境と、ナポレオンが置かれた戦時のそれとの違いは大きい。大きいけれども、瞬時の判断が必要であるとか、自らの戦力で何をすべきか、どうすべきかという戦略の立て方、それらの前提になる情報の「インプット」など、シンプルに考えて置き換えられるものは少なくない。著者自身がナポレオンの信仰者であるとことで、多少の「持ち上げ」は否定できないけれども、それを差し引いても、チームを率いる者としての考え方、信念の持ちよう、時間の使い方などは参考にできる。
結構面白いと感じたのは、ナポレオンが「成長」していったという件。彼とても最初っから皇帝だったわけではなく、各ステージにおいて常に前を向いて進んでいく姿勢を貫いたことにより、考え方もそれに伴う発信力も、人間の器としても「成長」していったことが書かれている。これは大きい。今はこうでも、将来はああなる、という希望がもてないこともない。いつになっても「進化」していかねばならないことを改めて。
そしてなによりも(真実はどうかは不明)フランス革命を推進する場面において、皇帝は「自分のこと」ではなく「自分たちのこと」を念頭においていた、ということ。「公」の利益の概念。最近よく聞く、「はたらく=傍楽」という(自分が好きな)フレーズにも直結することだ。これを自分の中で消化するのはそれなりにパワーが必要(我慢も)だが、成功者たちに共通するのはこれであることは明らか。「わたくしたち」という考え方は根底に持ち続けるべきであるし、これを「あたりまえ」にしたい。これならばできる。ここから始める。
ナポレオンで仕事上達 (角川oneテーマ21 B 112)
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