2010/11/24

行けるかも。同時に困難であることの証明にも


『大器晩成!!成功のヒント』桜井光行
[18/204]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★☆☆

転職が当たり前の時代、空気になり、自分自身も何度か「新天地」に変化したことはあるが、それでも「35歳を過ぎたら「かなり」厳しい」ことにはかわりはないように思われる。とうにその「分岐点」を過ぎた自分としてもやはりそこに飛び込むにはかなりの勇気と勝算(打算、ではない)が必要なことは感じる。
この本には洋の東西を問わず、その分岐点を超えてから「新しい」ことにチャレンジし、且つ成功した人の話が満載。65歳で事業をおこしたカーネルサンダースや、48歳でインスタントラーメンを「発明」した安藤百福氏は知っていたが、ファンケル創業者の池森氏(42歳)や、日本地図を歩いて作った伊能忠敬など、でるわでるわ...「今」成功者として知られている方々が、苦労の末、その成功を勝ち取った「伝記」は読むだけで勇気がでる。もちろん著者も繰り返し強調しているように、彼らはただチャンスをつかんだだけではなく、それまでの蓄積を経験値に変えて、長年の間もぶれないビジョンを強く持ち続け、人知れぬ努力をし、挫折があってもそれに屈しない精神を持ち、その上でチャンスをつかんだ人たち。自分がもう少し若ければ「ヒトゴト」の話として、あまりにも自分とかけ離れた話としてウワッツラだけしか読むことはできなかっただろうけれども、多少なりとも「あせり」を感じている今、「響く」ものは多かった。
さて、若くして「成功」をつかんだ人ももちろん数多くいる。時代の流れの中で、「経験」が必ずしも「価値」に結びつかなくなってきているのは事実だろうと思う。けれど、この本を読んでいる中でなんとなく感じたのは、「周りの人ために」と「自分のために」というビジョンの違い。あきらかにこの本で紹介されている「成功」は、「公」に対する成功であり、彼らが持ち続けているビジョンも「公」に向けたものである。翻って、「現代の勝ち組」はどうなのか...これも、いわゆる「ゆがんだ世代論」である危険があるので、きめつけはしないけれども、「自分」中心の生き方が若干強くなってきているような感じはする。「成功」であることには間違いないし、仮に「自分のため」であっても、もちろん努力はされているだろうから、否定することではないけれども...
他にも合計28人の「大器晩成」の成功者譚が並ぶ。ただ、テーマ別の切り方のため、たとえば「ビジョン」というテーマで5人、「モチベーション」というテーマで5人、その中にかぶっている人がいる、といったように一人の「偉人」が、何度も登場する構成になっているため、一人ひとりに焦点を当てると若干読みにくい。この本を「入門」として、それぞれの人の「履歴書」を深読みすればいいだけの話ではあるけれども...
「大器晩成」の方々はここに紹介されているだけではなくまだまだいるはずだ。一方で、「努力」「考え」なしに「晩成」するはずがないことも事実で、それなりにこれまで培ったことをアウトプットする必要があるだろう。さあ、自分のこれからの人生、「大器晩成」になるために何ができるか、何をすべきか。真剣に考えて実行していこう。

大器晩成!!成功のヒント―有名人に学ぶ7つのキーワード

0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter