2010/11/30

引き寄せたのか...


『会社が嫌になったら読む本』楠木新
[21/207]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★★

通常は「先入先出」で、買った順に読んでいるのだが、買ってすぐに読み始めた...タイトルに刺激されたこともあるけれど、理由は説明できないが「呼んでいる」気がして...通常の自分の「書斎」である電車内では若干読みにくい(カバーをして読んでいないので)のだけれど、タイトルから想像されるのは所謂「刺激的なハウツー」本、若しくは「後ろ向きな、病的な」本だろうと思う。...非常に「まじめな」内容です。この年代に「発症」しがちな「会社本位」の生き方でよいのかどうかというアンチテーゼ。これに対応する自分自身の軸をどのように考えるのか、どういう方向に持っていくのか。単純な「スキルアップ」の本ではない。あふれている「キャリアプラン」とも違う。もちろん「うつ」に対する何かのヒントが直接的に書かれているわけでもない。著者は会社という組織にいながら、一時「離脱」された経験をお持ちでその時に考えたことや、その後の「転身者」へのインタビューを繰り返す中から何かを見つけた。「転身」という言葉を使っているのも新しいし、気持ちがよい。前向きな感じがする。大手企業でのぼりつめた方々が中心ではあるが、従来の会社本位の流れから、個人を主役に置いた生き方、数字や経営指標を追い求める姿から、他社への役立っていることを求める姿へ。そのような「転身」をされた方々は、著者のインタビューにおいては皆さん、「いい顔」をされている、という言葉が何度も出てくる。これって抽象的に見えるけれども、人間として本質だったりする。思えば、20数年前。就職にあたり父親と神保町の喫茶店で話をしたことを思い出した。その時に自分が言った言葉は「いい顔になりたい」ということだった。20年の時間は流れて、自分は「いい顔」になっているのか?なってきているのか?自問する。もしも「まだ」であっても、これからの時間だって十分にある。人生80年と考えれば折り返し地点にたどり着いたに過ぎない。前半と後半、同じ走りをすることはないし、前半を振り返りすぎても時間はなくなるだけだ。そんな前向きな気持ちになれる。
今、そういう気持ちなんだろう。故にBookoffの本棚で引き寄せられて手にとって、すぐに読み始めたのだろう。これも何かのきっかけであるはず。著者が本書で繰り返し述べている、「行動すること」。転身して「いい顔」になっている方々は、その転身においては「行動」の中できっかけを得て、行動の中から「成長」する場所を見出している。もちろん従来のものを捨てるという挫折感や、思い描いていたイメージと異なる場面など、数え上げてたらきりがないくらいだろうと思われる。でも結果として「いい顔」になっているんだ。「いい顔」になるために自分はどうすべきなのか。行動しながら決めていこう。だって「いい顔」になりたい。20年を超えて実現すべき目標なのだから。

会社が嫌いになったら読む本(日経プレミアシリーズ)

2010/11/28

「もしドラ」よりも「いつデブ」だなあ



『いつまでもデブと思うなよ』岡田斗司夫
[20/206]BookOff
AMAZON ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

そう、ダイエット本です。でもおそらくはそのダイエット法以上にこの本が話題になってましたよね。自分もダイエットの手法はしりませんでした。基本的にはその手法を紹介した指導書ですが、でもそれだけではない。「ふとっている」よりも「やせている」方がよいのは、経済活動の中でのメリットもあるが、なにより「時代」がそういう流れであり、「やせている」方が圧倒的に有利な世の中において、それを目指すメリットから導入。確かに著者のいう「見た目第一」の流れは確かにあるわなあ。「ヒトは外見よりも中身」という言葉はもちろん生きているけれども、その「現実味」が薄れてきているように思われます。これは何かの指標というよりも実感値として。というか、実際にそう考えた方がしっくりくるような事例も多々あるしね。そんな中で不幸にも「やせていない」ヒトはどのように「やせる」のか。その手法は一つだけ=記録をつけることである、というのが本書の筋。これだけである。シンプルだけど実は深い。それゆえに「本が」話題になったんだろうけれども。つまり記録を「継続」することで意識が変わる。究極には意識が行動を規定する、つまり小食やカロリー意識、等が「あたりまえ」になる状態を「最終ゴール」としている。
つまり。「継続」と「意識」そして「習慣」なんだね。「無理をしない」をひとつのキーワードにしているけれども、やはりゴールを目標としての「努力」はあってしかるべきで、著者の成功例としては「努力」は前提なんだろうね。
自分はそれほど深刻に「ダイエット」を必要とはしていないけれども、この考え方には深く共鳴します。これって何かの目標達成(長期の)には理想的なフローなんじゃないかな。直接的に、ではないけれども、ヒントになる部分はあると思うなあ。「時間管理」なんてのにも使えそう。大原則としては「自分でコントロールできる状態」にあること、これである。著者が最後に書かれているように、「毎日」今日の気持ち、今日の問題、これを記録することから始めてみる。開始!



いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

2010/11/25

ナポレオン、いいかも。

ナポレオンで仕事上達 (角川oneテーマ21 B 112)
価格: ¥ 740
発売日: 2008/09/10
posted with Socialtunes at 2010/11/25

『ナポレオンで仕事上達』齋藤孝③
[19/205]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

ナポレオン、あのナポレオン。もちろん名前は知っているけれども、世界史の教科書以降、その業績を見た覚えはない。イメージとしてはイケイケドンドン、攻めの姿勢の戦士のようなものを持っており、ビジネスやその考え方に結びつけることはなかったけれど...本書を読むと(多少無理やりかもしれないけれども)彼の考え方、戦隊を率いるリーダーシップ、アイデンティティの持ち方、役に立つねえ。現代にも通じるものがありますなあ。
ビジネスにおける環境と、ナポレオンが置かれた戦時のそれとの違いは大きい。大きいけれども、瞬時の判断が必要であるとか、自らの戦力で何をすべきか、どうすべきかという戦略の立て方、それらの前提になる情報の「インプット」など、シンプルに考えて置き換えられるものは少なくない。著者自身がナポレオンの信仰者であるとことで、多少の「持ち上げ」は否定できないけれども、それを差し引いても、チームを率いる者としての考え方、信念の持ちよう、時間の使い方などは参考にできる。
結構面白いと感じたのは、ナポレオンが「成長」していったという件。彼とても最初っから皇帝だったわけではなく、各ステージにおいて常に前を向いて進んでいく姿勢を貫いたことにより、考え方もそれに伴う発信力も、人間の器としても「成長」していったことが書かれている。これは大きい。今はこうでも、将来はああなる、という希望がもてないこともない。いつになっても「進化」していかねばならないことを改めて。
そしてなによりも(真実はどうかは不明)フランス革命を推進する場面において、皇帝は「自分のこと」ではなく「自分たちのこと」を念頭においていた、ということ。「公」の利益の概念。最近よく聞く、「はたらく=傍楽」という(自分が好きな)フレーズにも直結することだ。これを自分の中で消化するのはそれなりにパワーが必要(我慢も)だが、成功者たちに共通するのはこれであることは明らか。「わたくしたち」という考え方は根底に持ち続けるべきであるし、これを「あたりまえ」にしたい。これならばできる。ここから始める。

ナポレオンで仕事上達 (角川oneテーマ21 B 112)

2010/11/24

行けるかも。同時に困難であることの証明にも


『大器晩成!!成功のヒント』桜井光行
[18/204]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★☆☆

転職が当たり前の時代、空気になり、自分自身も何度か「新天地」に変化したことはあるが、それでも「35歳を過ぎたら「かなり」厳しい」ことにはかわりはないように思われる。とうにその「分岐点」を過ぎた自分としてもやはりそこに飛び込むにはかなりの勇気と勝算(打算、ではない)が必要なことは感じる。
この本には洋の東西を問わず、その分岐点を超えてから「新しい」ことにチャレンジし、且つ成功した人の話が満載。65歳で事業をおこしたカーネルサンダースや、48歳でインスタントラーメンを「発明」した安藤百福氏は知っていたが、ファンケル創業者の池森氏(42歳)や、日本地図を歩いて作った伊能忠敬など、でるわでるわ...「今」成功者として知られている方々が、苦労の末、その成功を勝ち取った「伝記」は読むだけで勇気がでる。もちろん著者も繰り返し強調しているように、彼らはただチャンスをつかんだだけではなく、それまでの蓄積を経験値に変えて、長年の間もぶれないビジョンを強く持ち続け、人知れぬ努力をし、挫折があってもそれに屈しない精神を持ち、その上でチャンスをつかんだ人たち。自分がもう少し若ければ「ヒトゴト」の話として、あまりにも自分とかけ離れた話としてウワッツラだけしか読むことはできなかっただろうけれども、多少なりとも「あせり」を感じている今、「響く」ものは多かった。
さて、若くして「成功」をつかんだ人ももちろん数多くいる。時代の流れの中で、「経験」が必ずしも「価値」に結びつかなくなってきているのは事実だろうと思う。けれど、この本を読んでいる中でなんとなく感じたのは、「周りの人ために」と「自分のために」というビジョンの違い。あきらかにこの本で紹介されている「成功」は、「公」に対する成功であり、彼らが持ち続けているビジョンも「公」に向けたものである。翻って、「現代の勝ち組」はどうなのか...これも、いわゆる「ゆがんだ世代論」である危険があるので、きめつけはしないけれども、「自分」中心の生き方が若干強くなってきているような感じはする。「成功」であることには間違いないし、仮に「自分のため」であっても、もちろん努力はされているだろうから、否定することではないけれども...
他にも合計28人の「大器晩成」の成功者譚が並ぶ。ただ、テーマ別の切り方のため、たとえば「ビジョン」というテーマで5人、「モチベーション」というテーマで5人、その中にかぶっている人がいる、といったように一人の「偉人」が、何度も登場する構成になっているため、一人ひとりに焦点を当てると若干読みにくい。この本を「入門」として、それぞれの人の「履歴書」を深読みすればいいだけの話ではあるけれども...
「大器晩成」の方々はここに紹介されているだけではなくまだまだいるはずだ。一方で、「努力」「考え」なしに「晩成」するはずがないことも事実で、それなりにこれまで培ったことをアウトプットする必要があるだろう。さあ、自分のこれからの人生、「大器晩成」になるために何ができるか、何をすべきか。真剣に考えて実行していこう。

大器晩成!!成功のヒント―有名人に学ぶ7つのキーワード

2010/11/23

伝えたいことは何だったのだろう


『乱世を生きる』橋本治②
[17/203]bk1
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★☆☆☆

前著『上司は思いつきでものを言う』が(一般のレビューに比べて)結構面白かったので2冊目。そこそこの期待。「勝ち組」とはなんぞや?「負け組」っていったい誰なの?というテーマから。とにかくわかりにくい。言葉遊び的な書き方のせいあるけれども、はたして著者が何を言おうとしているのか、そこから何を見つけたらいいのか、書いている人の主張がわからないので何も見つけられなかった。確かに読者である自分の力量、理解力の不足はあるにしても、そーゆーレベルの人にも「わかる」ように伝えるのが本を書く人のツトメなのではないだろうか。
確かに飽和状態の環境で、変わるべきものが見つからない、変わらなくてもいいところが変わり始めている、そんな混沌とした「乱世」において、何を考えるべきなのか、どう生きるべきなのか、それに対する答えはそうそう見つからないとは思う。でも、それを「こうではないかな」という仮説、ヒントでも欲しいなあ、って思って本を選んで読み始めるわけで、「わからない」がテーマであるとモヤモヤしたものは増幅されることはあっても視界が開けるわけではないよね。
「世襲」の変化、をはじめとして、(自分が咀嚼できているわけではないけれども)「するどいなあ」って思わせるところはある。視点が自分とは異なる部分は著者の「目のよさ」に畏敬の念を持つし、こーゆー見方もあるんだなあって思う箇所もある。けれどイカンセン読みにくいです。疲れます。自分もそうだけど、「 」の乱用って、読みにくいんだね。それ、気付かされました。

乱世を生きる ―市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)

2010/11/21

言われるほどではない。


『不幸な生き方』勝間和代⑧
[16/202]BookOff
AMAZON ★★☆☆☆
K-amazon ★★★☆☆

どうもこのAMAZONでの評価をみていると、「勝間本」だから否定すればいいんじゃ?という発想があるんじゃないかと思ってしまう。本書の内容とは別のところで意見を述べたり...以前は私も否定めいた感想を述べたことはあるけれども、それはあくまでその本の内容に関することである。本書はやや逆接めいたタイトルで(なんとなくわかるけど)「不幸になる生き方を知り、それを避けることで幸せになりましょ」という内容。具体的な内容は目新しいものはないし、「幸せになる」ではなく「不幸を避ける」というアプローチがあまり好ましくない。「勝つ」のではなくて「負けない」というのは、それ自体を目指しているとどうも消極的になりがちだ。本書の内容ではけして消極的に堅実にいこう、というものではないけれども...
なんとなくは、「失敗を繰り返し、PDCAのスピードをあげ」という基本的な部分はもとより、「すべきこととすべきでないこと」を明確にする、というポイントがあるような気持ちになる。もちろん「不幸になる」ことはそれは避けるべきなんだけど、「(結果)不幸になるかもしれない。けれどやってみないと」というリスクもある程度は必要な場面はある。というかリスクを避けていたら「幸せ」にはなれないよね。これは絶対に。
多くのひとが「ツッコミ」を入れている部分(自分の著書を紹介しすぎ、とか)はあるにはあるけど、「わかりやすさ」は相変わらず、つまりこれは「伝わっている」ということであり、本を書くのに必要な技術(この技術が未熟なヒトは相当数いる)、所謂テクニック的な仕事論ではなく、マインド的な内容のこの本は、ある意味、これからも勝間本を読んでいこう、と思わせるものはありました。
ヒトの悪口を言わない。前向き生きるよう努力する。これだけでも意識できれば価値あり、そう思います。


不幸になる生き方 (集英社新書)

2010/11/19

「論理的」は大事。「非論理的」も。

13歳からの論理ノート
13歳からの論理ノート
  • 発売日: 2006/09/21

『13歳からの論理ノート』小野田博一
[15/201]bk1
AMAZON ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

「論理的に」考える、「論理的に」発進する(言う、書く)...ロジカル=論理的というフレーズを使った自己啓発本は非常に多い。何冊か読んだ内容としては、「言っていること(書かれていること)は理解できるけど、実際には...」というものが多い。本書はまずタイトルからイメージするところで、「中学生にも理解できるような(基本的な、容易に理解できる)」という先入観から入る。
結構個別の「重箱の隅をつつく」ポイント指摘が多いけれど、確かに、と思えるTIPも少なくない。
・「行動」の動詞を使う...「~と考える」ではなく「~をすべきだ」
・「議論の結論は、次の議論を始められるようにする」...「Aである」という結論であるべき(Aに賛成か否かという議論が次に発生する)で、「Aについて議論しよう」とか「Aであるべきかわからない」という結論ではダメ
・レトリックは使わない(相手に正しく伝わるように)
等々、テクニックだけではなく本質論もあり、薄っぺらなノウハウツール本ではない、という認識。書かれていることは正しいと思う。論理、筋道、今論じていることからそれてはいけない、違う文脈の例を持って反論すべきではない、正しい言葉を使う...そりゃそうなんです。
でも。
なんとなく違和感、イゴコチの悪さが。なんだろう。「論理的であるべし」という前提で話が進んでいるが(本テーマからすれば当然だけど)、論理的でなければならない理由がわからない。論理的であればすべてが正しい、ってわけではないだろうと思う。文脈を「読む」、行間を「読む」ような文書(=文学的表現)はよろしくない、というけど、それがよい場面も当然あるよね。あと、「正しい例」で記された「論理的」な文が、なんだか冷たい感じがする。読み手にストレートに伝わらない、読み手に考えさせてしまう、というのは論理的ではない、のかもしれないけれども、そこに「温度」が感じられない。躍動感がなくなる。クールと言えばいいんだけど、機械的な、遠い距離感みたいなものが生じてしまっている。
つまりは、場面、場所による、ということなんだろう。使い分ける技術を持っていればいい、ということ。あとは...タイトルにある「13歳からの」の意味が最後まで見つからず。読み手の想定?単なるキャッチコピー?この部分は論理的じゃないような...

13歳からの論理ノート

2010/11/17


『社長が変われば会社は変わる』石渡美奈
[14/200!!!]BookOff
AMAZON ★★★☆☆
K-amazon ★★★★☆

同世代の3代目経営者の著者の成功本、というか履歴書的な本。女性であるから、なのか、(ご本人が繰り返し言われているように)「お騒がせ看板娘」だからなのか、かなり現実的な等身大な目線で書かれている。そんなところが読後感のよさにつながっているようだ。「ホッピー」というと、正直自分にとっても「古い」イメージである。そんな明治から続く会社(ホッピー自体は戦後から)社長の一人娘は、腰かけレベルの意識で出た社会から、「3代目」を継ぐ決心をして会社に入ってくる。そこからの悪戦苦闘の日々。多少は苦労話がでてくるが、イメージは著者の「前向きな」姿勢を反映していて、暗さはまったくない。もちろん、書かれている以上に、いや想像以上に苦労はされているはずだ。「社長の娘」であることや、「たたきあげ」でないことなど、おそらくは悪いイメージで見られていた(いる)ことも少なくないだろうと思う。けれども本書に書かれていることを(表面的に)読む限りは、著者ミーナは、それを乗り越えて、ある意味それを利用して、会社を元気にする、お客様を元気にする、そんな姿勢が貫かれている。おそらく本書の上梓前後にあった「異物混入」事件については、あまり多くは触れられていないけれども、ともすれば人生を逆転(暗転)させるような事件についても、前向きに考えている様子は「理想形」に近い。
自分の会社の商品「ホッピー」を愛してすらいなかったスタッフたちを、途中から入ってきた同族経営者が変えていくことは容易ではないだろう。でも、最後(最後、ではないけど)には、「変化する体質」が身に付いた、と著者が感じるほどにまで変わってきている。著者が師事したメメンターの力も大きい。が、其れ以上に著者の「思い」や「夢」の強さ、これが今の状態をもたらしたことは間違いない。
途中に出てきたが(本来の主軸ではないかもしれないが)「ホッピーは何か?」という問いに対する、「プリン体が入っていない健康飲料」「焼酎との相性が抜群」といった答えに対する違和感。結果「夢を追いかけてる時にそばにある飲料」というテーマを見つけ出すに至るのだが、これって本質。もうひとつ。「営業が商品」と言っていた著者が、「(夢の実現に共にある)商品を作る企業」であることに気づく。これも本質。規模は違えど、なにか共通しうる、共感し得る部分がある。
「論理的」な本ではないかもしれない。ある意味「営業ツール」なのかもしれない。けれど著者の「本気」はうそではない。それだけで十分伝わってくるものは、ある。
同世代として、憧れるし、尊敬するし、応援したいし、追いつきたい。


社長が変われば会社は変わる! ホッピー三代目、跡取り娘の体当たり経営改革

2010/11/16


仕事の思想』田坂広志②
[13/199]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

もうかな り前になるけど、楽天市場の集いで田坂さんが講演されたのを聞いてかなりの衝撃をうけた。んで、その帰りに田坂さんの本を読んだ。実は、講演の印象ほど著 作には感動をもらえずに、その後は読まなかったんだけど...久々に手にとった本は、実にココロヨイ、素直に感動し得る本でした。
仕事をする、っ て何?もちろんご飯のため。それもひとつ。でもそれだけじゃないでしょ?そんな(軽い)疑問は、社会にでて20年もすると何度もめぐってくる。でも、それ を考え抜く暇もなく、次の日の朝、会社の席に座っている。そんなことの繰り返しだ。それでそのまま人生が「幸せに」終われるのならば悪くはないのかもしれ ないけど、やっぱり人生の大半の時間を費やし、神経を使い...ってことを考えると、もう一歩踏み出すには「思想」が必要なのかもしれない。この本にも出 てくる「夢を持つ」ということ。このフレーズは実は結構いろんな方々が行っていることだけれども、田坂さんは「夢を持って、それに向かって真剣に取り組む こと」が重要だと説く。夢想人になってはいけないと。ここがポイントだよね。自分にも「夢」はあるけれども、真剣にその実現に向けて歩んでいますか?とい う問いには下を向かざるを得ない状態かもしれない。それでは前に進まないよね。「夢が破れた時」が怖いから、ではけしてないつもりなんだけれども、前に進 まないということは、どこかにそんな思いがあるのかもしれないし、「夢」への執着が弱いのかもしれないね。
「思想」がテーマになっているが、仕事 の成果、報酬は、自分が成長することであり、仲間ができることだと説かれる。これって深い。すなわちマネジメントの本質ではないですか。知識や論理、操作 に重きを置いている状態ではけして実現できない、真剣な、熱い思いこそが夢に近づく道であること。なにかすがすがしい感じすらするね。
最近ちょっと「論理的」な本が続いた中で、シンプルなマインド思考の本に出会えて、気持ちがなごみます。前向きになれます。「夢」。真剣に考えてみよう。そして前に向かって進んで行こう。

仕事の思想―なぜ我々は働くのか (PHP文庫)

2010/11/03

小宮さんの本で一番だと...



『どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座』小宮一慶⑥
[2/188]BookOff
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

小宮さんの本は、約1年ぶり。多少経済寄りではあるけれども、現場リーダーレベルの自己啓発系が多かったのだけれど、本書は「社長力」というタイトル。自分の今の(未来も...か)状況からは到底届かない、場違いな内容かもしれないけれども...会社経営も、部門経営もなんらか共通点はあるだろう...と。
冒頭から本書の最大のテーマが登場。すなわち
「お客様第一」
本書のすべての内容がそのテーマに間違いなく沿って貫かれている。見事なほど。タイトルから「もしかしたら」あるかもしれない、と予想された「経営テクニック」については一切ない。見事にない。「お客様第一」を一切曲げずにすべてのことが、「どうあるべきか」が決まってくる。ピースがはまっていく感じだ。自分としてもそのテーマは分かっているつもりでいた。しかしながら...「スタッフの意識改革」これが第一になっていていいのか?お客様は「スタッフの意識改革」を要望しているのだろうか、とか、「客観的一番と主観的一番、お客様はどちらを基準に選択するのか」とか、クレーム「処理」という言葉を使っていないか、とかとかとか...分かっていませんでしたね。分かっているフリをしているだけでした。甘い考えだったと言わざるを得ない...おりしも、わが「チーム」に欠けているもの、これから目指すべき方向、というのを試行錯誤している日々。もちろん答えがすぐにでるものではないけれど、根底に置くべき「お客様第一」これが不足していた、不十分だったんだ。無かったわけではないけど、そこへの「思い」が足りてない。
なんだかこのタイミングにあわせて出会った本のような。一部の「会計」についての章が唯一「特別」であるけれども(もちろん「社長力」には会計知識は不可欠だろう)、その他は、・戦略・市場・経営・人間力、すべてにおいてメインテーマ「お客様第一」がしっかりと気づかれた土台の上に組み立てられている。
タイトルの「社長力」がかえって邪魔してる感じが。むしろ現場のリーダー、マネージャーが読むべき書だと思う。チームビルディングやマネジメント、マーケティング、ストラテジー、あれもこれも悩む中間層には助けになるはず。直接的ではなく間接的にヒントを得よう、と考えて必死で読めば必ずなにか見えてくるだろう。数々読んできた「マーケティング」や「リーダーシップ」これらの本を超えるものがそこにある。なんか見つけた気が。


2010/11/02

変えられる、変われる!

スイッチ!
スイッチ!
  • 発売日: 2010/08/06
  • 売上ランキング: 2950

『スイッチ!』チップ・ハース&ダン・ハース
[1/187]bk1
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆

久々に「分厚い」本を読む。360ページといったら新書の倍じゃないか...でもね、勢いに乗ってスイスイ読めました。タイトルからも容易に推察できるけれど、「変わりたいのに(変わらなきゃいけないのに)変われない」この状態を脱するためのヒント集。実例(もちろんすべてアメリカ産)をフンダンに使っての説明。なによりも実例に登場する「変化をもたらした人物が、「すごい」人ではなく、現場レベルであることに意識が高まる。本書を通して、「変える」ための要素として、象使い(理性)と象(感情)、そして道筋(環境)をあげていて、「変化」を起こすにあたってどうそれぞれを使っていくか、という説明に終始。「象」を例示しているところは正直わかりにくかったけど(むしろ「理性」「感情」と言ってもらった方がすんなり)、変化をもたらすためには、特に周りを変化たらしめるには、象=感情が大事だということを認識。象使い=理性だけで強制してもいけないし、変わらない原因は、必ずしも個人に帰属するものではなく道筋=環境かもしれない、という気づき。
・ダメな部分を解析するのではなく、うまくいっている部分をハイライトする
・感情を芽生えさせる
・環境を変える。習慣を生み出す
読む始める時は、自分自身を「変える」ことと同時に、周りを「変える」ヒントになれば、という思いがあった。あわよくば「お客さん」を変えるためには...なんて欲望も。けれど、まずは自分、そして周り。これまでも意識はしていたし、自分なりのやり方で「変化」を起こそうと試行錯誤はしてきたけれども、本質の部分(技術でなく)が多少誤りがあったのかも...って考えてしまう。この本に書かれていた事例がそのまま当てはまるとは思わない。けれども、なんらかの「気づき」は確実に得たように思う。確信する。
カリブ海セントルシア島だけに生息するイロマジリボウシインコを絶滅の危機から救ったのは大学を卒業したばかりの若者。彼は法律をつくるわけではなく、そのインコが島の財産であり、自分たちの財産は自分たちで守る、という意識を島の住民に意識付けすることでインコを救った。変化をもたらした。規則に縛られていた経理担当者に、現場で(その経理担当者が例外を認めなかったことによって)給与の支払いを受けられずに困窮している姿を見て考えが変わった(何のための「規則」であるのかを認識した)。これらはまさに求めるべき変化であり、変化の方法である。
読み終わってタイトルを見れば、「チェンジ」ではなくて「スイッチ」であることもいいですね。つまり「変化」に対してはそれぞれ(個人、組織、社会すべて)ポテンシャルはあるはず。それを起こすきっかけであったり、動機づけであったり、つまり「スイッチ」を押すことなんだな、と。

スイッチ!

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